名鉄三河線「海線」廃止区間、車社会でどう変貌? 代替バスの運転経路とは異なる人の流れも

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今回はまず、海線の廃止区間の沿線を見た。2011年に西尾市が一色町、吉良町、幡豆町と合併した結果、現在はすべて碧南市と西尾市の市域となっている。

碧南駅
三河線の終点となった碧南駅(筆者撮影)
碧南 三河線の電車
碧南に到着する三河線の電車(筆者撮影)

碧南市は海上交通の要衝として江戸時代から栄え、現在は衣浦臨海工業地帯の中核として各種企業が立地する町だ。人口は約7万3000人。西尾市の中心部は古くからの城下町で、人口は約17万人を数える。いずれも2004年以降の住民の数は安定しており、極端な増減傾向は見られない。

産業都市の碧南市と西尾市

西尾市の場合、2022年度の統計によると、自動車社会の中京圏の例に漏れず、自家用車の保有率は1世帯当たり2.2台。市外への昼間の流出人口が通勤と通学を合わせて約3万1000人なのに対し流入人口も約2万6000人あり、昼夜人口の差が少ない産業都市としての傾向が見られる。

流出先として、もっとも数が多いのは隣の安城市だ。次いで碧南市、岡崎市となっている。交通手段は、圧倒的に自家用車であろう。

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