慶應理工学部が「村上春樹作品の英訳」出題の衝撃 22年度入試まで英作文問題は出題されなかった

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実際に出題された問題は以下の通りです。

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慶應 理工 入試 村上春樹

どうでしょうか? 日本語でも意味がよくわからないという人も多いと思います。

実はこの問題、下線部分自体を直訳で英語に直すのは、そこまで難しいことではありません。下線部分の日本語を見てもらえればわかると思うのですが、語彙的にはあまり難しい表現がないからです。「この単語、どうやって英語に直せばいいんだ?」と思うようなものはほとんどないと言えます。

日本語の解釈が求められる問題

しかし、この問題は紛れもなく難問です。なぜ難しいのかと言えば、それは「日本語の解釈」が求められるからです。この問題は、下線部分以外にも、しっかりとその前後の文が書いてあります。ということは、その部分をきちんと読んで、下線部に書かれた日本語がどういう意味なのかをきちんと日本語で考える能力も求められます。

例えば、下線部に書いてある「引き戻される」という日本語は、どう訳していいのか悩むポイントになります。

「引っ張って戻される」という意味なら「pull back」などと表現できるのですが、ここで書かれていることが本当に物理的に引っ張って戻されると解釈するべきなのか、それとも比喩表現として言っているのかを解釈する必要があります。

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