中国BYD、ハンガリーを足場に欧州市場を攻略へ 乗用車工場を建設し、欧州向け車種を現地生産

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近年、ハンガリーは(ヨーロッパの中央に位置する)地理的な利便性や(ハンガリー政府の)さまざまな優遇政策をテコにして、海外のEV関連企業の投資を惹きつけている。

BYDはすでにハンガリーで電動バスを現地生産している(写真は同社ウェブサイトより)

中国からは車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)を筆頭格に、欣旺達電子(サンオーダ)、億緯鋰能(EVEエナジー)などの電池メーカーがハンガリーに進出。新興EVメーカーの蔚来汽車(NIO)は、電池交換式EV向けの(ユニット式の)電池交換ステーションをハンガリーで生産している。

すでに欧州19カ国に進出

高い購買力を持つヨーロッパ市場は、中国のEVメーカーにとって魅力的な進出先だ。ヨーロッパには現地の自動車ブランドがひしめき、中国ブランドが足場を築くのは容易なことではない。だがそれに成功すれば、中国国内やヨーロッパ以外の海外市場でもブランド力の向上につながる。

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BYDもヨーロッパ市場の開拓を極めて重視している。同社は2021年、まずノルウェー向けに乗用車の輸出を開始。2022年10月からヨーロッパ各国への本格展開を開始した。

現在までに、BYDはヨーロッパ市場に5車種の乗用車を投入。進出先はドイツ、イギリス、スペイン、イタリア、フランスなど19カ国に広がり、販売店舗数は合計140店を超えた。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は2月1日

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