北里大学

医工連携が変える
日本の未来・大学の役割
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小林 それは面白いですね。大学院生のカリキュラムの一環ならすぐにでもできると思います。

北里博士は常々、「事を処してパイオニアたれ。人に交わって恩を思え。そして叡智をもって実学の人として、不撓不屈の精神を貫け。」と門下生に説いていました。最終到達点を見失わず、社会に還元する研究を行うということは北里博士の哲学と親和性があります。

医療衛生学部校舎とその授業風景。北里大学では、医学部・薬学部・看護学部はもちろん、7学部15学科にわたる幅広い学術分野をカバー。診断・治療のプロセスの透明化や、心理的、倫理的、社会的なサポートを含め、多方面から患者を支える人材育成に注力している

また、北里大学では早くからチーム医療教育にも力を入れています。医工連携によって、さまざまな専門家のチームによって課題解決に取り組むことは、医療の現場でのチーム組むことは、医療の現場でのチーム医療を体験することにもなりそうです。

柏野 先ほど、医療機器はナショナルセキュリティだという話をしました。医療機器の世界はどうしても外資系が強い。日本のメーカーは開発スピードでも遅れを取っています。日本の医療を自らの手で守る意味でもぜひ日本発の医療機器が世界で活躍してほしいと願っています。

小林 喫緊の課題としては、臨床試験のコストをどう乗り切るかということになりそうです。欧米のように投資家が豊富にいればそれも容易なのでしょうが、今の日本ではそううまくいきません。それを乗り越えて、最終的にはやはり国際標準化を達成したいですね。

日本は世界でも例を見ない高齢化社会にあります。病気の治療はもとより、予防や健康寿命の延伸などでは最先端の取り組みが可能です。さらに介護・福祉の分野でも国際標準になれる可能性があります。ビジネスチャンスもたくさんあります。本学が医工連携を進めることで、これからの日本社会、ひいては世界に貢献したいと考えています。

COLUMN 2
~時代を支える医療拠点~
新北里大学病院と新生東病院が開院

2014年5月、北里研究所創立100周年・北里大学創立50周年記念事業の一環として、05年より推進している新病院プロジェクトの中心施設である新しい北里大学病院が相模原キャンパスに開院した。最先端の機材や設備はもとより、円滑なチーム医療を可能にする「医療支援部」を新設するなど、ソフト面にも力を入れている。新病院は地域の基幹病院として「救命救急・災害医療センター」、「集学的がん診療センター」、「周産母子成育医療センター」、「血管治療部門」の四つの重点領域を柱にしている。

また、15年5月には北里大学東病院が、回復期リハビリテーション病棟の新設など、大幅に改装してグランドオープンし、従来の「患者中心の医療」と「共に創り出す医療」という理念に「人としての尊厳の維持」と「自立支援・回復支援」も加え、慢性期疾患と予防医療に対応。地域医療への幅広い貢献と優れた人材育成の拠点として期待されている。

お問い合わせ
北里大学
 042-778-7883
 http://www.kitasato-u.ac.jp/