家に眠るお酒がカネに?中古品新業態の勝算 「リカーオフ」を知っていますか

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リカーオフで販売されている商品のほとんどは、一度は店頭から消費者の手に渡った未開封のリユース品です。専門のスタッフが状態を確認し健全な状態の商品だけを再販売しています。

2013年にスタートしたハードオフの新事業

店名ロゴから想像したとおり、この「リカーオフ」と呼ぶ店舗を運営しているのは、ハードオフコーポレーション。スタートさせたのは2013年7月で、1号店(直営)は東京都杉並区にある高円寺純情商店街店でした。現在、直営、フランチャイズを含め3店舗を展開しています。

店舗立地は基本的に都心部の駅近くの居抜き物件で、売場の広さは15~25坪程度。店長はソムリエ資格保有者となっています。買い取り方法はブックオフやハードオフのように、店頭はもちろん、出張買い取りにも対応しています。

(写真:ヒロ / PIXTA)

海外でのお土産として購入したウイスキーやワイン、贈答品や景品として受け取ったものの飲んでいない缶ビールセットなど、いつか飲もうと思ってもその機会がなかなか訪れず、埃をかぶったまま眠っているお酒がどこの家庭にも1本や2本はあるもの。そういったわが家の秘蔵品たちが、この店舗にはいくつも集まってきます。終売商品や限定品なども入荷してくるため、憧れの名品に出会えることもあるでしょう。

飲まないお酒を飲んでくれる次の消費者のもとへ届け、食文化の向上とエコロジーに貢献していく、これがリカーオフの経営理念となっています。

高級品だけでない買い取りシステム

リカーオフでは実際に、どんなお酒を買い取ってくれるのでしょうか。日本酒は普通酒で2年程度、大吟醸や吟醸系で6カ月以内であれば値段がつくそう。また冷蔵庫で管理された吟醸酒であれば1年前でも買い取りが可能。ただ、高く売るためには、早く売ることがポイントのようです。

ワインの場合、一般的な白ワインで3年程度、赤ワインで10年程度が買い取りの限界。ただし、先のページに紹介したような有名シャトーのものなどしっかり造られた高級ワインなら20年前でも買い取り対象です。保存状態がよければラベルが少し傷んでいても、買い取ってもらえます。

ウイスキー・ブランデー・焼酎は長期熟成が可能な酒類であるため、古いものでも買い取りが可能です。時間が経つと未開封でも液面が目減りしてしまうことがありますが、未開栓であれば買い取りは可能のようです。

お酒につき物のグラスなどのグッズたちも買い取りの対象となっています。ギフトとしてあちこちから頂く機会も多い食器たち。特にワイングラスやビールマグなどペアグラスは結婚式の引き出物の定番だけに、使いきれずにキッチンの戸棚の奥に眠っていることも多いのではないでしょうか。

面白いことにリカーオフではビールメーカーのサービスコップ(水垢など使用感がないもの)、デキャンタなどで利活用できそうな蒸留酒の空き瓶なども買い取りの対象となっています。このあたり、さまざまな物品を買い取り、販売してきたハードオフならではのノウハウが伺えます。

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