東大生がやってる頭が良くなるたった1つの習慣 「すぐに理解する人」「理解が遅い人」の小さな差

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ここで説明されているとおり、「なぜ?」という疑問は、相手との無言のキャッチボールになります。大抵の場合、パッと思いつく質問の答えは、後で話してくれるものが多いです。

先生「1853年にペリーが来航しました」
生徒「(ペリーというのはどの国の人で、どんな目的で来航したんだろう?)」

なんて考えていると、「あ、ペリーはアメリカの人で、目的は日本を開国させて貿易をすることだった」と、その後で説明をしてくれる場合が多いです。

または、一瞬疑問に思ったとしても、「あ、そういえばさっきペリーの目的については語っていたな」と、前に説明してくれたことを復習することになるかもしれません。

「問い」と「答え」で情報を整理し、記憶にとどめる

実はこれだけで、情報が頭の中で整理されていきます。なぜなら、「問い」と「答え」の形式は、整理しやすく、また記憶に残りやすいからです。

例えば、疑問を持たずに相手の話を聞いていると、「この時代、アメリカは日本と貿易したかった」という情報だけが頭に入って、これが何に紐付いた情報なのかがわからなくなってしまい、すぐに忘れてしまいます。

逆に、「この時代、アメリカは日本と貿易したかった。だから、アメリカは日本を開国させたかった。だから、ペリーは日本に開国を要求して来航した」と、バラバラの情報を問いと答えの形式で整理することで、情報が整理されるのです。

いかがでしょうか? 考えるというのは、問うことと同義だと思います。

だって、何かを考えているときって、疑問の答えを考えているときですよね。「なんでこんなことが起こったんだろう?」「どうして自分はこんなことをしてしまったんだろう?」というように、問いがあって初めて「考える」という行為が成立します。逆に、「問いがない考え」なんてないのです。

ですから、問いを考えながら話を聞くというのは、そっくりそのまま、相手の話を考えるということになります。みなさんもぜひ、参考にしてみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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