《プロに聞く!人事労務Q&A》会社パソコンの私用禁止を徹底したいのですが。

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また、私的利用の防止対策として、(1)モニタリング(監視)する、(2)Webサイトの閲覧を制限する、(3)インターネットが利用できるパソコンを制限する、(4)履歴を保存する、(5)職場の責任者に管理を任せる、などの方法が考えられます。

ただし、モニタリング(監視)の実施に当たっては、従業員に対して、実施理由、実施時間帯、収集される情報などを事前に通知すると共に、個人情報保護に関する権利を侵害しないように、説明などの配慮をする必要があるでしょう。

運用面で難しい部分は、私的利用の事実が確認できたときに、どんな制裁措置をとればよいか、ということです。

一般的には、「譴責・注意処分」などの比較的軽い処分が多いのではないかと考えますが、社内機密データの持ち出し、公開のケースについては、「懲戒解雇」の最も厳しい処分を検討することになります。会社が相当な被害を受けた場合には「損害賠償請求」もありえます。この点についての判断に錯誤がないように、服務規律違反と懲戒処分などを関連づけて就業規則に記載しておく必要があります。

また、単に規程を作るだけでなく、従業員に会社の方針を徹底する意味で、周知としての研修や通知をこまめに行うことも必要と考えます。

半沢公一(はんざわ・こういち)
1980年東洋大学経済学部卒業。IT関連会社で営業、人事労務及び派遣実務に従事した後、91年に独立し半沢社会保険労務士事務所を開設。就業規則をベースとした労務相談を得意とする。企業や団体での講演・講義も多い。現在、東京労働局紛争調整委員会あっせん委員、東京都社会保険労務士会理事等を務めている。著書多数。


(東洋経済HRオンライン編集部)

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