佐久間宣行語る「異色コント番組」DMMと組む狙い 企画のためにつねにアンテナ、ChatGPTの活用も

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――ちなみにSMILE-UP.(旧ジャニーズ)の問題や、「#MeToo」運動といったコンプライアンス意識の高まりや、ネットの発展によりテレビ離れを公言する人が増加するなど、ここ数年、テレビ業界をとりまく状況が変わってきています。佐久間さん自身はその変化をどう感じていらっしゃいますか?

ぶっちゃけ僕は芸能界の人たちとの付き合いがないんで、芸能プロダクションとタレントのことに関してはよくわからないのですが、日本の中だけに収まるコンテンツをつくっていくことのバリューが減っているのは感じています。

やはりグローバルスタンダードに合わせていかなきゃいけないものもあるわけで。昔ながらの興業ベースの日本の芸能界のペースだと、成り立たないところが出てくるんじゃないかなとは思いますね。

佐久間宣行 インシデンツ
佐久間宣行氏(写真:筆者撮影)

例えば海外だと、タレントが自分でマネジメントを雇っていたりするわけだし。日本の芸能界も徐々にそうなりつつあるじゃないですか。それには育成というのが絡んできて、育成の投資はどうなるんだという問題もありますけど、でもそういうふうにちょっとずつ変わっていって。世界で通用するクリエーションをしていこうというふうになるんだと思います。

それと今までのテレビ界に関して言うと、CMもひっくるめたテレビ局のビジネスモデルが本当に優秀だったから、たまたまここまで耐用年数がもっただけだと思うんです。普通はこんなにもたないですよね。むしろここまで本当に、驚異的にもったほうだなと思います。

テレビ局の中でもずっと亜流だった

――そんな中でも、佐久間さんはオンラインライブやグッズ販売、DVD販売など、テレビ番組の枠を越えて仕掛けようという思いが強いように思うのですが。

どうなんですかね。僕自身は実は10年以上前からまったく変わってなくて。ゴールデンの番組もほとんどつくったこともない、地上波のど真ん中をやってたような人間じゃないですからね。

しかも地上波のど真ん中の視聴者でもないんですよ。本当にダメな社員だったので、(以前所属していた)テレビ東京でも、そういう番組を面白いと思ったことがないのでやりませんと言ってきたんですよね。だからずっと亜流でしたし、その中で自分が面白いなと思うものと、会社が儲かることの間を探して、好きなことやらせてもらっていたという感じです。

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