太陽光エネルギーで本当に代替は可能か--リチャード・カッツ

太陽光エネルギーで本当に代替は可能か--リチャード・カッツ

英国の童謡『マザーグース』の中に次のような詩がある。

釘が一本抜け落ちれば鉄沓(かなぐつ)が脱げ
鉄沓が一つ脱げれば馬が負け
馬を一頭失えば騎兵が負け
騎兵を一人失えば戦争に負け
戦争に負ければ王国は滅亡する
一切は鉄沓の釘一本の脱落から起る
(石川澄子訳、鳥影社)

これは、日本でいえば「風が吹けばおけ屋が儲かる」という論理の飛躍を揶揄したものだ。これを今の日本に当てはめれば、さしずめ「電力がなければ自動車部品工場が止まる」となるだろう。

東日本大震災以前から、今後10年の日本の成長見通しは暗かった。昨年12月に日本経済研究センターは、2020年までの日本経済の平均成長率は1・2%になる、という予想を発表した。現在、災害で新しい下方リスクが生じている。それは電力の調達と価格という問題だ。

原子力発電に対する不信感が高まっており、停止中の原子力発電所は震災以降一基も操業再開が認められていない。原発支持派の知事でも、安全性が確認されるまで再開を認めないはずだ。現状が来年まで続けば、停止中のすべての原発が閉鎖されることになるだろう。

日本の電力の30%は原発によって供給されている。原発がすべて止まれば、来年の成長率はマイナス2・2%になると日本経済研究センターは予測している。同センターによれば、失われた電力をすべて火力発電で補おうとすれば、7・5兆円の費用がかかるという。

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