今期業績予想は、31業種中13業種が「2桁増益」 医薬品は、なんと73.8%の増益率

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決算業績集計(前・今・来期が変則決算の会社と上場廃止等で来期予想のない会社を除く集計で1部、2部は東証と名証合算)を市場別に見ると、今期の新興市場上場企業211社の営業増益率は44.3%と前期の257.2%に続き好調を維持する見込みだ。

一方で、1部上場企業1677社は14.1%(前期は7.4%)と二桁で、しかも11.5%の2部上場企業530社(同9.7%)を逆転する。1部、2部とも増収率を超える増益率であり、とりわけ大手企業の多い1部企業に輸出採算の改善や値上げ効果が寄与すると考えられる。

会社側予想と実績の乖離、修正のクセを分析

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銀行、保険等を除く全31業種の営業利益を個別に見ると、前期実績では医薬品、鉱業、卸売業、パルプ・紙、小売業、情報・通信業、証券業、金属製品の8業種が減益、また石油・石炭製品が唯一、赤字となっていた。

だが、今期に減益見込みの業種は、わずか3つ(ガラス・土石製品、精密機器、鉱業)に過ぎず、石油・石炭も原油価格低下による在庫評価損計上が一巡するため、黒字化する公算だ。

一方、今期増益率が二桁の業種は13業種の見込み。医薬品の73.8%を筆頭に、卸売47.1%、さらにパルプ・紙、海運と続く。また2期連続で二桁増益となるのは、繊維製品、化学、非鉄金属、電気機器、水産・農林業、電気・ガス業、海運業、その他製品の8業種。また今期の営業利益予想が前号よりも上方修正されたのは17業種で、なかでも前号比5%以上、上方修正されたのは、鉱業、石油・石炭製品、水産・農林業、繊維製品、建設業、その他金融業、その他製品となっている。

なお、今号では個別企業ページで、会社経常利益予想の修正回数を掲載した。会社が公表した経常利益予想の修正回数(直近2決算期分)を掲載している。また、経常利益の実績を、期初の会社予想(同2期分)で割り算した数値も掲載した。数値が「1倍」より大きい場合は、会社の期初予想より上振れて着地したことを表し、下回る場合は下振れしたことを表している。会社の業績予想の傾向を判断するために活用していただきたい。

『会社四季報』編集部
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