アイドルが断言「TikTokは冒頭0.1秒が勝負」の訳 八木沙季が教える「オチ」まで心をつかむ方法

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八木沙季は苦労人だ。アイドル14年目で上京するまでは、関西圏を中心に活動していた。

関西圏で活動していた当時から「上京したい」と思っていたという(撮影:梅谷秀司)

3組を渡り歩いたグループアイドル時代には、東京を中心にした首都圏との「ファン」や「仕事」の量的格差も実感。ふつふつと「売れたい」思いをたぎらせていた

「ほぼセルフプロデュース」の経験が糧に

2組のグループを渡り歩き、20歳からはLovelysの一員に。

当初は4人組であったが、途中から解散までは、今なお“相方”と慕う宮崎梨緒と共にアイドルデュオとして2人で活動を続けた。

当時、ほぼ「セルフプロデュース」状態だったとは驚く。

ライブグッズも2人で考案して本番までに準備。衣装やグッズの制作では当時の事務所と「予算」を交渉し、衣装デザイナーや「小ロット」でグッズを商品化してくれる業者まで、2人で探していたという。

グッズ制作では「小ロットでも作ってくれる業者さん」を探す苦労もあった(撮影:梅谷秀司)

その一環であったライブの幕間映像やMVの制作は、TikTokでも精力的に活動を続ける現在の糧に。特技の「動画編集」は「独学」だった。

自分たちでやるしかない状況で映像の構成を考えて、撮影。動画編集はもちろん、事前のスタジオ手配もみずからこなす

MVのイメージをふくらませて、他のYouTuberの動画を参考に。「楽しくて、どんどんのめり込んでいきました!」と、当時を思い出す口調は明るい。

なかでも当時、苦労したのは「ドキュメンタリー風」と解説するLovelysの曲『ドレドレ』のMVだ。

2人の打ち合わせやダンスレッスン、店頭でビラ配りする風景も記録、ステージまでの軌跡を描く作品で「イメージをスタッフさんに『こう撮ってほしい』と伝えるのが難しかった」と、振り返る。

その経験も糧に、今では動画編集のスキルを買われて他のアイドルグループのライブで使用する映像や、「TikTokでバズりたい」と願う友人の映像制作を引き受けることもあるという。

相手のために手がけた作品が「バズっていたり、ライブの映像が『よかった』とコメントをいただけるとうれしい」と噛み締めつつ、Lovelys時代を経て「みずから考える力、動画の編集力がついた」とほほ笑む。

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