「小池百合子首相」待望論、実現する可能性あるか まずは7月の都知事選で圧勝するのが本心か

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このため、岸田首相サイドには「一時浮上した予算成立花道論はほぼ消えた。このままやるべきことをやり続けて支持率がさらに回復すれば、総裁選前の衆院解散も可能になるし、解散しなくても総裁再選はありえる」(岸田派幹部)との強気の声も出始めている。

「衆参同日選」視野に、まず都知事選圧勝狙い

その一方で、自民幹部の間では「岸田首相は『政治改革』に一定のメドをつけ、解散しないまま総裁選前に退陣表明したほうが影響力を残せる」(無派閥有力議員)と指摘する向きも多い。

その場合、誰が選挙の顔となるかを予測するのはまだ難しく、「結局、誰がなっても2025年7月の衆参同日選になだれ込むのでは」との見方も広がる。だからこそ小池氏は「衆院選出馬か都知事選圧勝の2つの選択肢を天秤にかけ、都知事選ぎりぎりまで政局展開を見極める構え」(側近)とみられているのだ。

そうした中、小池氏にとってのベストシナリオは「まず都知事選に圧勝し、そのうえで都民ファを率いて次期衆院選での政界再編・政権交代のリーダー役となり、状況次第で首相の座もうかがう」(同)とされる。しかし、中央政界の現状と今後の展開を想定する限り、「小池氏の思惑通りの状況となるかは極めて不透明」(自民長老)というのが実態だ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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