中国新興EV「理想汽車」、新型車の発売延期の思惑 EVの競争が激化する中、ライバル牽制が狙いか

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M9にはレンジエクステンダー版とBEV版の2種類あり、BEV版のメーカー希望価格は51万元(約1014万円)から。MEGAとM9はミニバンとSUVという違いはあるが、価格帯や顧客層が重なる可能性が高い。

問界の「M9」はファーウェイが開発した高度なスマート機能を搭載。理想汽車の「MEGA」の手強いライバルになるとみられている(写真は問界のウェブサイトより)

問界は2023年9月、主力SUV「M7」のマイナーチェンジ・モデルを発売し、旧型よりもスマート機能を充実させつつメーカー希望価格を4万元(約80万円)も値下げした。これをきっかけに、問界の販売店に注文が殺到。ファーウェイの情報開示によれば、M7の2023年の販売台数は4万8000台を超えた。

M7は理想汽車の主力SUV「L7」と競合関係にある。理想汽車は公式な値下げは発表していないが、顧客に対して(M7に対抗するための)実質的な優遇措置を提供しているのが実情だ。

2024年の販売目標は80万台

そんななか、MEGAを当初の予定通り2023年12月に発売すれば、納車開始までの2カ月間に問界やその他の競合メーカーから値下げ攻勢を仕掛けられ、キャンセルが相次ぐリスクがあった。

理想汽車にとって、2024年は大勝負の年になる。レンジエクステンダー型の新型車「L6」と、MEGAを含む4車種の新型BEVを相次いで発売する計画だからだ。創業者兼CEO(最高経営責任者)の李想氏は2024年1月1日、同年の販売目標を80万台に設定したと明らかにした。

本記事は「財新」の提供記事です

だが、競合車種が相対的に少なかったレンジエクステンダー型に比べて、中国市場におけるBEVの競争は熾烈を極める。このタイミングでBEVに新規参入する理想汽車は、容易ならざる戦いを迫られそうだ。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は1月2日

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