ホンダと開発「アフィーラ」に透けるソニーの意図 アメリカで開催「CES」で最新プロトタイプ披露

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中でも注目を集めそうなのが、ソニーグループの半導体事業会社、ソニーセミコンダクタソリューションズが中心となって計画した「モビリティ」分野の展示だ。ブース全体の入り口に配置されており、ソニー・ホンダのブースと通路を挟んでちょうど向かい合った位置にある。

ソニーが開発・製造している画像センサーを中心とした各種半導体がどのように用いられるかを示した自動車のモックアップ(実物大模型)が主役で、これまでに発表した半導体を一覧できる展示もある。

今回展示されているモックアップは、来場者が実際に乗り込んで、搭載された各種センサーの動作をリアルタイムで体験できる。ソニーが得意としている画像センサーはもちろん、センサーからの距離を測るLiDARやToFセンサーを使ったリアルタイムの認識結果を後ろの画面で確認できる。

CES2024のソニーブース
ソニーブースの入り口にはアフィーラそっくりの形をしたスケルトンモデルが置かれている(記者撮影)

ソニーはこれまでもモビリティ領域における半導体の重要性をCESで訴えてきた。だが、車載センサー事業単独の公開ブースでの展示など大々的に訴求するのは今回が初めてとなる。

展示の設計を担当したソニーセミコン車載事業部の八木直志氏は、展示の狙いについて「一般の来場層など、ソニーが車載向けの分野を手がけていることをよく知らない層に実力をわかってもらいたい」と語る。

アフィーラが採用実績不足を補う一手に

ソニーの半導体事業にとっての大きな課題の1つが、アプリケーションの不足だ。高性能な半導体を開発しても、性能を最大限引き出すためのソフトウェア開発や検証が追いつかないと、実際の需要につながらない。需要期が遅れるほど開発コストの回収も遅れていくことになる。

事実、2023年4~9月期の中間決算では、車載向けの半導体事業の立ち上がりが遅れている理由について、「⼤⼿顧客のADASシステム⾼性能化の進展が当社想定より遅れている」(決算説明資料)と言及した。

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