「ゴジラ」アメリカの賞レースを占う批評家の評判 宣伝に力を入れずとも候補入りする作品の力

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さらに注目すべきなのは、Rottentomatoes.comおける批評家の数字が公開時より上がっていることだ。公開時も批評家が97%、観客の98%が褒めていたが、現在は批評家が98%、観客は98%のまま。

通常は滑り出しが非常に良くても、批評が増えていくにつれてネガティブな評も交じってくるため、やや数字が下がってくる。事実、100%を獲得した映画のほとんどは、批評の絶対数が限られている。『ゴジラ-1.0』の場合、絶対数が増えたのに点数が上がったということは、追加された評がほぼすべて良かったということになる。

当然だが、批評家たちが投票するアワードでも健闘している。ラスベガス映画批評家協会からは最優秀外国語映画賞を受賞、サンディエゴ映画批評家協会からは視覚効果賞を受賞し、外国語映画部門では『The Zone of Interest』と並んで次点だった。

600人以上の批評家、映画ジャーナリストを会員を抱える放送映画批評家協会(Critics Choice Association)からも、外国語映画部門にノミネートされている。

アカデミー賞はどの部門で獲れる?

投票者はまるでかぶらないものの、今月14日に発表される放送映画批評家協会賞はアカデミー賞を予想するうえで指針のひとつとなる賞だ。だが、残念ながら『ゴジラ-1.0』の場合は、そこにつながることはない。

アカデミー賞の国際長編映画部門は、各国がそれぞれ1作品をエントリーするルールで、日本はヴィム・ベンダース監督、役所広司主演の『PERFECT DAYS』を選んだからだ。業界サイトDeadline.comのコメント欄には、「日本はアカデミー賞に『ゴジラ-1.0』をエントリーするべきだった。冗談を言っているんじゃないよ。あれは今年最高の映画のひとつだ」という書き込みも見られるが、もう遅い。

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