岸田文雄首相、「意外な交代人事」の裏舞台 "党改革"への思惑がにじむ「渡海政調会長」

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今回の交代人事第2弾については、萩生田、高木両氏が14日の段階で、安倍派の閣僚らの辞任に合わせて辞表を提出していたが、岸田首相が2024年度予算案の編成作業を終える22日まで後任人事を先送りし、萩生田、高木両氏もこれに従った。

この人事に先立ち、政府は22日午前、首相官邸で与党との政策懇談会を開き、2024年度予算案を提示し、了承された。同予算案の一般会計総額は約112兆700億円で、過去最大だった23年度当初予算(114兆3812億円)を下回り、12年ぶりの減額となり、同日午後の臨時閣議で決定した。  

岸田政権維持への貢献は「予断許さず」

これを受けて、岸田首相は同日午後、渡海政調会長、浜田国対委員長などの人事を正式決定、両氏は直ちに党内調整や野党対応などの職務をスタートさせた。ただ、東京地検の捜査次第では、「自民党全体が激震に見舞われ、岸田政権崩壊の危機が迫る可能性もある」(自民長老)だけに、渡海、浜田両氏の起用が岸田首相の目論見通りの「政権維持への大きな貢献となるかは予断を許さない状況」(同)が続くことは間違いない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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