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セブン・井阪社長が告白「我が激動の2023年」 「そごう・西武はグループ内で成長できなかった」

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ただ、このコストプッシュ型インフレは、みんなで受け入れよう、という風潮になってきた。従来の日本のデフレマインドからは確実に変わってきている。名目賃金は伸び続けており、企業も賃上げの意識は高い。足元はちょうど過渡期。24年度は消費が持ち直すのではないか。

──24年の業界は明るい?

私はそう考えている。消費者も企業もマインドが変わってきた。値上がりは続くと思うが、企業物価指数などのマクロ指標を見ても、国内外ともにインフレは落ち着いてきている。24年は賃金が物価の上昇を上回り、今年以上に消費を楽しめる1年になるのではないかと思っている。

──リスクについてはどのように考えますか。

メインとなるのは地政学リスクだろう。足元ではウクライナ危機に加え、中東情勢も不安定だ。

こうした資源の産地や物流の要衝での衝突はいつ起きてもおかしくない。急激な物価高騰の引き金になりかねず、サプライチェーンの強靱化を進める必要がある。

セブン‐イレブン・ジャパンでもオリジナル商品に使用している小麦粉を国産の小麦粉に切り替えているところだ。農業や畜産業とも組んで、サステイナブルなものづくりの体制を構築していく。

外国人が移住しやすい政策が必要

──人手不足も深刻です。出稼ぎ先として、日本は外国人から選ばれなくなっていると聞きます。

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