談合事件起こした業界の「反省」とは?

まず「隗より始める」必要はないのか。
 日本土木工業協会(会長=葉山莞児・大成建設社長)は8日、防衛施設庁談合疑惑を受け、より公正な入札制度を検討する「透明性ある入札・契約制度に向けた検討会議」を発足させた。しかし、業者側のコンプライアンス(法令順守)体制強化に関しては特段の対策を打ち出さず、会員の自主的努力を期待するにとどまった。
 同検討会議は葉山会長が議長を務め、中村英夫・武蔵工業大学学長ら学識経験者と協会関係者らで構成。現在の入札制度が持つ問題点を洗い出し、4月中に意見をまとめる。
 同協会は全国150社を超えるゼネコン会員を抱え、影響力は大きい。8日の会見で葉山会長は「(防衛施設庁談合事件は)昨年末コンプライアンスの徹底を呼びかけた矢先に起こったもので、非常に残念」と強調した。しかし、全国規模での業者側による談合排除の取り組みについては「私達は公正取引委員会ではない。やめようと強制はできない」と消極的で、あくまでも会員の自主努力に期待。結局、昨年末に通達を出した以上の手は打たない姿勢を示す会見となった。
 同会議では「入札のあり方自体も談合の背景」とし、単年度使い切りで非効率的な官庁予算のあり方や、地方JVの不透明性の改善などを検討する。確かに「価格のみが基準の入札でダンピングを防ぎ、品質を確保するには、談合も避けられなかった」(学識者)との声もある。個々の利益よりコミュニティを重んじ、「共存共栄のためにやっている」と考える関係者が多いのも事実だ。
 談合事件が摘発されるたびに「ルールの徹底」を謳う業者側。今回も「法治国家なのだから、法を守るのは当たり前」(葉山会長)と常套句を繰り返すが、言葉とは裏腹に、その態度から深い「反省」は読み取りにくい。「官」よりもまず「民」の側に、より明確な意思表示を期待してしまうのは見当違いなのだろうか。
【鈴木謙太朗記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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