縁切り神社の「絵馬」にプライバシー保護の波 絵馬の内容や本名を隠せるよう神社も配慮
同じく縁切りで有名な栃木県足利市の「門田稲荷神社」でも、今年に入ってから絵馬の個人情報について考慮するようになったそうです。
悪縁を切って良縁を結ぶため、病気との縁を切って健康になりたい人や、不倫関係にある相手との縁を切って幸せな縁を見つけたいという人が、国内外からやってきます。
取材に応じた神主によれば、1年以上前に、100万人程度のチャンネル登録者数を抱えるYouTuberが神社を「呪われている」など悪し様に取り上げ、絵馬の内容まで映した動画を公開したことがありました。
気づいたときにはすでに10万回ほど再生されていたそうで、連絡をして動画を削除してもらいましたが、その出来事をきっかけとして、希望する人がいれば、絵馬の内容を隠せるような配慮を始めたのだといいます。
ただ、門田稲荷神社では、絵馬にシールを貼るのではなく、別途購入した「重ね絵馬」をもう1枚重ねて見えなくします。
「木でできた絵馬は自然のもの。シールを貼ると、せっかく書いた気持ちや文字がシールの化学物質でダメになってしまうという考えがあります。神様にお願いごとをつなぐことができなくなってしまうと思ってます」(神主)
絵馬と重ね絵馬の間には、「必要最低限」に短い両面テープではがれにくくする。
「絵馬になんでも書ける」など評判はよいそうです。
ネットに残る数々の絵馬写真
ある縁切り神社を検索すると、過去に撮影された絵馬の情報が残っていました。
書いた当時は「誰かに見られても問題ない」と考えていても、あとになって何かの拍子にSNSなどに投稿され、その内容が思わぬ形でフォーカスされてしまうというのは考えすぎでしょうか。
取材すると、「絵馬は本名で書きたい」という思いを抱えた人が一定数いることがわかりました。もしかすると、シールを貼るのが今後の参拝マナーになるのかもしれません。