日経平均反落、27年ぶり13連騰ならず 連騰への警戒感で利益確定売り優勢に

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 6月2日、東京株式市場で日経平均は13日ぶりに反落した。都内で1月撮影(2015年 ロイター/ Issei Kato)

[東京 2日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は13日ぶりに反落した。良好な外部環境を支えに朝方は買いが先行。一時2万0600円を回復したが、先物主導で売られマイナスに転じた。外為市場ではドルが約12年半ぶりに125円台まで円安が進行したものの、日本株に対しては連騰への警戒感などが重しとなり、利益確定売りが優勢となった。

日経平均がきょう上昇して引ければ、1988年2月10─27日以来約27年ぶりの13連騰となるはずだったが、長期上昇記録は12日で途絶えた。

前日の米国株高などを好感し、東京市場は堅調なスタートとなったが、次第に手詰まり感が意識され伸び悩んだ。午前中にはドル/円が125円台まで強含む場面があったが、株価の反応は限られた。「大型株を中心に利益確定売りが広がった」(SBI証券の藤本誠之・シニアマーケットアナリスト)という。

自動車株では富士重工業<7270.T>が前日比で1.42%高となったのに対し、トヨタ<7203.T>は0.07%安、ホンダ<7267.T>は1.37%安とまちまち。電機株の一角も軟調に推移するなど、輸出株は総じて上値の重い展開となった。

また直近で上昇基調にあった大手銀行株が2─3%の下落となり、市場心理を悪化させる形となった。半面、業種別では電力・ガスや医薬品、繊維業などが上昇。内需関連株も全体的には堅調に推移した。

ただ海外勢による日本株買いや、日銀によるETF(上場投資信託)買いへの期待感が続くなか、下落局面では押し目を拾う動きもみられ、指数は下げ渋る動きをみせた。TOPIXとJPX日経400<.JPXNK400>の終値はマイナスとなったが、それぞれ取引時間中の年初来高値を更新。「極端な過熱感はみられない」(SBI証券の藤本氏)ことも背景に、連騰記録が途絶えたとしても日本株は当面、底堅い展開が続くと見る向きが多い。

個別銘柄ではgumi<3903.T>がストップ高。1日に2015年4月期の連結業績予想を修正したと発表し、好感された。3月時点で営業赤字の見通しを発表していたが、海外向けゲームによる収入が予想を上回ったほか、合理化効果も寄与するため、営業損益予想は一転、4億1600万円の黒字となる見込みとなった。

半面、 JT<2914.T>が下落。同社は2日、カナダ・ケベック州での現地子会社などに対する喫煙と健康に関する集団訴訟で、同州上位裁判所が同子会社に対し7月26日までに約1億4200万カナダドル(約142億円)の支払いを求める仮執行命令を出したと発表。先行きを懸念した売りが出た。

東証1部騰落数は、値上がり790銘柄に対し、値下がりが968銘柄、変わらずが127銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20543.19 -26.68

寄り付き    20604.67

安値/高値   20470.26─20619.61

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1674.21 -4.35

寄り付き     1682.48

安値/高値    1669.85─1683.19

 

東証出来高(万株) 277265

東証売買代金(億円) 28175.79

 

(長田善行)

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