睡眠特集

適切な睡眠は6~8時間
不足も過剰もリスクの元に

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入眠困難、早朝覚醒など不眠をもたらす3要因

日中に眠気を引き起こす原因には睡眠量の不足以外にも、就寝中に呼吸が停止、あるいは呼吸による換気が低下する「睡眠時無呼吸症候群」や、目を覚ましておくための神経機構が上手く働かなくなる「過眠症」がある。夜眠っているのに、日中の眠気や居眠りで困っている場合は、放置せず専門家に相談しよう。

睡眠不足と並んで「不眠症」も深刻な問題だ。床で休む時間が不十分で、日中に眠気を感じるのが一般的な睡眠不足であるのに対して、不眠は床で休む時間は十分あるのに、眠れずに苦しむ状態だ。寝つきが悪い(入眠困難)、夜中に目が覚める(睡眠維持困難)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)、深く眠った気がしない(熟眠困難)といった症状が現れる。症状が長引くようであれば、やはり専門家に相談するのがよいだろう。

よく眠れない原因は主に三つ。まず、ストレスや悩みなどによる緊張だ。これらが一過性であれば悩みが解決すると睡眠も回復するが、人によっては「また、今晩も眠れないのではないか」という不安やこだわりが高まることがある。こうなると、不眠以外にストレスや悩みがないのに、毎晩不眠を心配することで頭がさえて寝つけない状態となる。

二つ目の原因は、寝床の中で過ごす時間が長すぎること。かつて、8時間以上の睡眠が健康に良いといわれたが、寝床で必要以上長く過ごしていると、かえって睡眠が浅くなるので注意が必要だ。

三つ目は体内時計の機能と関連したもの。体内時計の機能と関係し、年齢が高くなるにつれ全般的に睡眠が朝型化してくる。女性に比べ男性で目立ち、50~55歳ごろから、この傾向が強く現われる。定年退職後に早朝覚醒を訴える男性が増えるのも、こうしたことが一因と考えられる。一方、男性よりも老化が緩やかな女性は、睡眠のタイミングにあまり変化が生じない。夫が早くから眠るようになると、妻の方もそれに合わせて眠くもないのに早くから眠ろうと夫に合わせて早い時刻に就床しがちだ。しかし、眠たくない、つまり体内時計による睡眠の準備がまだ起こっていない時間帯に無理に眠ろうとしても睡眠は困難だ。そのため「50代以降は、睡眠スケジュールを無理に合わせず、夫婦別々でもいいのではないか」と内山氏は提案する。

全般的には、年齢を参考に自分に必要な睡眠時間を認識すること。6時間以上8時間未満くらいで、長すぎても、短すぎてもダメだということを自覚しよう。就床時刻にこだわりすぎず、起床時刻を規則正しくすることが良い睡眠の確保には重要だ。睡眠の環境に関しては、自分にとっての快適性を追求することが快眠術の大原則といえそうだ。
 

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