【産業天気図・商社】資源高定着と資源以外の順調で最高益更新は来期も続く

総合商社は上位組を中心に来2007年3月期まで収益好調が持続しそうだ。
2005年9月中間期の決算は首位の三菱商事<8058.東証>から5位の丸紅<8002.東証>まで軒並み期首予想を上回った。2006年3月期の通期予想についても上位5社全社が増額修正した。
 中でも好調が際立つのが三菱商事。通期純益予想を2800億円から3400億円に増額修正した。『会社四季報』は会社予想を若干上回る3500億円を予想する。石炭、原油・LNGなど資源・エネルギー権益の厚みが寄与したのは間違いないが、機械、食料(生活産業)、化学、新機能事業なども含めた全部門が成長している点にむしろ三菱商事のすごみがある。住友商事<8053.東証>も順調だ。上位2社に比べ資源・エネルギーが弱体で資源高の恩恵は相対的に小さいにもかかわらず、会社が純益見通しを1100億円から1400億円に大幅増額修正したのは、ある意味サプライズだった。伊藤忠商事<8001.東証>も同様にシティバンクとの和解金127億円程度(税引き後ベース)を克服してなおかつ、期首予想の1000億円を1200億円に上方修正した。住友商事にほぼ匹敵する増額レベルと考えていいだろう。
 反面、上位組で勢いが弱いのが三井物産<8031.東証>。期首計画の1700億円から1800億円に会社純益予想は増額修正されたが、増額率は上位5社中、最も低い。もちろん、ライバルの三菱商事には大きく水を開けられた格好だ。業界首位の鉄鉱石を筆頭に金属資源は好調だが、原油・LNGなどのエネルギー部門はサハリン�などの先行負担が重く減益。機械、生活産業等も三菱商事に比べ弱さが目立つ。
 来期は資源・エネルギー価格の行方が注目点。さすがに資源価格のもう一段の上昇シナリオは描きにくいが、大幅下落の可能性を指摘する声も現状少ない。原油高騰ながら、米国経済は底堅い。中国などBRICSの経済成長も続く以上、基本的な需給関係に大きな変化はないからだ。商社各社のM&Aの成果も含めた機械、食料、化学、金融など資源以外の事業部門の着実な収益成長の寄与もある。2007年3月期も、商社は小幅ながら最高純益を更新しよう。
【大西富士男記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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