トップの一貫した姿勢が成功のカギ--アクサ生命保険株式会社 岩崎敏信執行役兼人事部門長/第4回ダイバーシティ経営大賞特別奨励賞受賞記念スピーチ

このたびは「特別奨励賞」をいただきましてありがとうございます。名誉ある賞をいただいたことについて心から感謝しております。

アクサ生命のダイバーシティへの実質的な取り組みは、2年前の2009年4月から始まりました。それまでもダイバーシティへの取り組みはフランス本社で強力に推進されており、日本でも着手しなければいけないという認識はありました。実際、障害者の雇用率も1%程度以下。ただ、やらなければいけないとはわかっているものの、人的リソースの問題もあり、実際にはなかなか具体的な成果に結びつけることができなかったというのが実情でした。

そうした中、09年4月、経営会議で「職業安定所からも指摘されている、改善しなければいけない。特例子会社を設けて障害者雇用などを増やすのはどうか」と提案したところ、当時のイギリス人社長からひどく叱咤されました。「そんな受け身の提案で、ダイバーシティが本当に経営戦略に結びつくのか。それでは消極的で何の価値もない」とそのまま突き返されたのです。アクサ生命の真の意味でのダイバーシティの推進はそこからスタートしました。

今回、このような栄誉ある賞をいただくことができた理由を整理してみますと、次の3つが挙げられると思います。

1つ目は、トップマネジメントの揺るぎなく一貫した、かつ詳細で具体的な支援があることです。言葉だけではなく、各役員がコミットした具体的な数値目標の進捗をすべてトラッキングしています。そのような社長をはじめとするトップマネジメントの本気度が社員に通じたことが大きなカギの1つであることは間違いないと思います。

2つ目は、アクサグループの成功事例から学ぶことができたということです。私どもは世界57カ国に展開するグローバル企業で、フランスを本拠としています。私どもがダイバーシティ推進室を設立した09年当時、フランスでは、企業のトップマネジメントの大半がフランス人男性で占められていました。また日本の外資系企業においても、障害者雇用率が不足しているとして公表されるのは大抵フランス系企業であったほど、一般的にフランス企業はダイバーシティに関してはあまり熱心ではありませんでした。

そうした状況の中で、日本ではいかにダイバーシティを推進していくべきかを検討した結果、グループの中で先駆的な取り組みを行っていた米国アクサ法人の事例をベストプラクティスとして参照することにしました。非常に詳細かつ具体的なノウハウをシェアする機会を得たことが、短期間でダイバーシティを推進する体制を構築できた理由だと思います。

3つ目は、ダイバーシティ担当者のパッション、つまり意欲と熱意です。私どもの会社では今、女性マネジャーの下、彼女よりも年長の男性課長と、育児休暇から復帰したばかりのワーキングマザー、そして、本日会場に来ていますが、全盲のバイリンガルの女性と彼女のパートナーである盲導犬のドロシーの、4人と1匹という非常に多様なメンバーでダイバーシティ推進に取り組んでいます。このメンバーたちの意欲と熱意、そしてこの多様なメンバー構成が、実に多様な考え方や革新的なアイデアを生み出せている理由だと思います。

現在、私どもは障害者雇用だけではなく、女性管理職の登用やさまざまなバックグラウンドを持つ方々の活用にフォーカスしています。今日この場にいらっしゃるダイバーシティ先進企業の方々のレベルに1日でも早く追いつけるよう、今後も全社を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

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