なぜ「ジェラート博」に大行列ができたのか 「ジェラ放題」を目当てに甘いもの好きが殺到

拡大
縮小
日本各地のショップやイタリア有名店のジェラートが無料で提供された

当日は晴天のジェラート日和。当初の予想1500人をはるかに超える人が会場に詰めかけた。しかし、早めに入場規制、入れ替え制などの対策をとったことで、大きなトラブルもなく開催できた。

「このために会社を休んだのに」「長時間並んだのに30分しか試食できない」とツイッターで不満をつぶやく声もあったが、多くの来場者は、許された時間のなかで可能な限り多くの種類を食べるべく、今度は会場内のブース前にできた行列に果敢に並び、「戦利品」を口に運んでいた。

「そこまでして無料で食べなくてもいいのではないか」と思う人もいるだろうが、ジェラート博には東京だけでなく、京都や北海道、石川など、各地のジェラートショップや、イタリアの有名店も出店し、全部で34種類のジェラートが並んだ。めったに食べることができないジェラートを口にできる、貴重な機会だったのだ。

ジェラートコンテストも開催

「第2回マエストロコンテスト」の様子

また会場前方のステージでは、今回の出品者のうち12人がジェラートづくりの腕を競う「第2回マエストロコンテスト」や、日伊のジェラート職人対決などの企画が行われた。

日本ジェラート協会は、このジェラート博の開催を通じて、ジェラート業界の活性化やジェラート職人の地位向上を目指しているためだ。

マエストロコンテストでは、「週末のちょっとぜいたくなジェラート」をテーマに、出場者が技を駆使して、新たなジェラートを開発。6人の審査員に味わってもらいながら、5分の持ち時間で、スクリーンに映し出される映像を用いたプレゼンテーションを行った。

またジェラートというと、コーンやカップに盛られた素朴な姿が思い浮かぶが、コンテストの出品作品となると、「見た目」も審査の対象となる。ステージの横に設置されたショーケースには、華やかにデコレーションされた芸術作品のような12種類のジェラートが展示されていた。

見た目も美しいジェラート

そもそもジェラートは、材料を専用の殺菌機、フリーザーなどに入れるだけでできてしまう。レシピも専用装置メーカーが開発しているので、「装置さえあれば誰にでも簡単に作れてしまう」という特徴がある。

そのためジェラートショップでは、材料の新鮮さにこだわることはもちろん、味や食感の組み合わせ、香り、見た目の美しさなどにアイデアを凝らし、商品価値を高めている。

今回のマエストロコンテストでは、さらにオリジナル性を出すべく、12人の職人が全力で取り組んだ作品が出品された。果物や花の香りをつけた水を使ったもの、「ほおずき」を材料として使ったもの、隠し味に昆布だしを使ったものなど、ジェラートの可能性を広げる、豊かな発想がきらめいていた。

次ページ優勝したのは、ジェラート界の貴公子とも呼ばれる職人
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT