日経平均続伸、1988年以来の13連騰なるか 輸出株中心に買い、為替も一時124円台

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28日は銀行株が大幅高、軒並み年初来高値に(撮影:今井康一)

[東京 28日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は10日続伸した。1988年2月10─27日の13連騰以来、27年3カ月ぶりの長期上昇記録となる。前日の欧米株高や、一時124円台を付けたドル高/円安進行を支えに、輸出株中心に買いが先行した。

短期的な過熱感が意識されたほか、後場は中国株安もきっかけとなり、急速に伸び悩む場面があったものの、大引けにかけて再度持ち直した。終値は前日に続き年初来高値を更新。2000年4月12日以来、約15年1カ月ぶりの高値水準で引けた。

ギリシャ債務問題に対する懸念が一時的に後退したことで前日の米国株が大幅高。円安進行も手がかりとなり、自動車、電機、機械などの輸出株が買われた。海外勢によるバリュー株物色が継続し、銀行、保険などの金融セクターも上昇し指数を支えた。一時は前日比182円高まで上昇する場面もあったが、後場に入ると中国の上海総合株価指数が急落。ドル/円も123円台後半まで円安一服となったことで、先物にまとまった売りが出て上げ幅を縮めた。

市場では「中国株は上昇ピッチが速く、いつ急落してもおかしくない状況だが、足元で金融緩和を強化するなどバブル的な政策を取っている。秋の五中全会まで株高を維持するのではないか」(みずほ証券投資情報部長の倉持靖彦氏)との見方が出ていた。

個別銘柄ではクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387.T>が後場一段高。同社は28日前引け後、和食チェーン「かごの屋」を展開するKRフードサービス(大阪市)を約150億円で買収すると発表した。郊外型店舗の強化による事業拡大への期待感から買いが入った。半面、オリエンタルランド<4661.T>が軟調。同社の大株主である京成電鉄<9009.T>も続落。前日に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営するユー・エス・ジェイ(USJ、大阪市)が今年秋の株式公開を目指していることが明らかになり、東京ディズニーランドの集客への影響などを懸念した売りが出た。

東証1部騰落数は、値上がり901銘柄に対し、値下がりが841銘柄、変わらずが141銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20551.46 +78.88

寄り付き    20590.28

安値/高値   20473.27─20655.33

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1672.76 +11.43

寄り付き     1671.14

安値/高値    1667.3─1679.78

 

東証出来高(万株) 311908

東証売買代金(億円) 32639.24

*改行を入れて再送しました。

 

(河口浩一)

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