「社内政治」「根回し」嫌う人が知らない意外な盲点 立ち回り方を覚えることで得られる利点とは

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自信はないけれど、プライドは高い。そうした人への対応は「ほめる」ことだ。自尊心を満たしてあげればいい。偉そうにしているだけだったとしても、どこかほめられる点を見つけられるかもしれない。

それを探してとにかくほめてみる。そうしてくれる人を「いいやつだな」と思ってくれる可能性は高い。

組織というものは、マウントの取り合いだ。序列をつくるのは、動物の群れや村社会でも起こることだ。誰しも「こいつよりは上だ」と思いたいのだ。新しく入った人や若い人、実績がない人は、狙われやすい。序列の一番下にされそうになる。

自信がない人ほど自慢話や実績を誇り、自分の序列を確保しようとする。その不安を察してほめてあげるのだ。「〇〇さん、天才ですね」ととにかく持ち上げる。こいつは自分の序列を上げてくれる存在だと思われれば、悪くはされないはずだ。

上司の意見は聞いたフリで

「人の意見をまったく聞いてくれない」。これも頻繁に言われる言葉だ。

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そういう人は、本当にいいものを実現したいと思っているわけではない。ただ自分の意見を押し通し、自分の意見が通ったという評価がほしいだけだ。

だから、実はその上司の意見を聞いていないのに、聞いているかのように振る舞ってしまえばいいのだ。

A案とB案があるとき、自分はA案がいいと思っているのに、上司がB案を推している場合、「たしかにBですよね」と受けておいて、なし崩し的にA案にしてしまう。もしくはA案にB案を少し混ぜる。というのも、走りはじめたら、社長や上司は、案外よく覚えていなかったりするからだ。

その上司はメンツを大切にしているので、その場で戦ってはいけない。否定しないように進めて、意見に従っているフリをする。まったく反対のことをやっても、「いやあ、部長の案でやってよかった。さすがです」と言っていればいい。あっちも混乱して何も言わないはずだ。

箕輪 厚介 編集者

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みのわ こうすけ / Minowa Kosuke

大学卒業後、双葉社に入社。「ネオヒルズ・ジャパン」を創刊し完売。『たった一人の熱狂』見城徹、『逆転の仕事論』堀江貴文などの編集を手がける。幻冬舎に入社後は新たな書籍レーベル「NewsPicks Book」を立ち上げ、編集長に就任。『多動力』堀江貴文、『日本再興戦略』落合陽一、2019年一番売れてるビジネス書『メモの魔力』前田裕二など次々とベストセラーに。自著『死ぬこと以外かすり傷』は14万部を突破。雑誌「サウナランド」は2021年のSaunner of the Yearを受賞。2022年『死なばもろとも』ガーシーを出版。2023年秋に著書『怪獣人間の手懐け方』(クロスメディア・パブリッシング)、『かすり傷も痛かった』(幻冬舎)を発売。

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