カルビー「堅あげポテト」の挑戦 独占取材・ロングセラー商品物語

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「開発・マーケティング→生産→物流→営業・販売」という一連のバリューチェーンでは商品価値を市場に伝えるという目的で整合している。

 開発・マーケティング=自ら価値の再定義しコンセプトを確立させる。
生産=生産効率が悪く、体制も整っていない状況でも粘り強く生産する。
物流=生産と市場ニーズのアンマッチが起こると、他エリアから在庫を融通するなどの機動性を発揮する。

 営業・販売=いかに手に取って体験してもらうかを考え、試食の機会を作り出す工夫を行う。

 マーケティングミックスの「4P」でも、商品価値を高め、保つことで整合している。

商品(Product)=フレーバーを思いつきで増やしたり、消費者調査だけでパッケージを安易に変えたりしない。

価格(Price)=価格訴求でなく価値訴求商品として認知いただけるよう販売チャネルへの働きかけをしっかりとして、ブランド価値を維持する。

販路(Place)=営業が販売チャネルの棚を確実に押さえる努力を惜しまない。

プロモーション(Promotion)=「食べればわかる」という当初のコンセプトを確実に体現するため、地道なサンプリングを重ねる。

 「私たちは、“ポテトチップスの1つのブランド”を作るのではなく、“堅あげポテト”というブランドを作りたかったのです」と、担当者は語る。

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