バングラデシュで強盗事件多発、企業は日本人駐在員をどう守る?

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バングラデシュの一般的なリキシャの特徴は、インドやタイと異なり防犯用の柵が運転手と客の間についていることと窓にもついているということです。これだけでも治安事情、防犯意識が違うことがわかりますが、それでも事件が起きてしまうということです。運転手にとっても危ない客を乗せるリスクにさらされているということかと思います。地域によっては、リキシャよりももっと軽いタイプの乗り物もあり、防犯レベルはさらに下がります。

また、運転手が犯行グループと通じている場合もあるでしょうし、直感的に何かおかしいと思ったら乗らないことが重要だと思います。

降り方もポイントです。タクシーやリキシャなどその類のものを降りる際は、人がたくさんいる所、親切な人がいそうな所に降りるのが安全です。これは、単に強盗など凶悪事件を避けるだけでなく、料金トラブルを避けるためにもそのほうがよいです。

例えば私のホテルで降りた際のトラブルです。夕方に時間があったのでホテル周辺をブラブラして、帰りにサイクルリキシャに乗り、ホテル前で降りたときのことです。自転車が動力の「サイクルリクシャ」の運転手には簡単な英語も通じません。通常よりやや多めに支払ったつもりだったのですが、もっとよこせということらしく、ベンガル語で500タカ(600円程)を要求しているようでした。

私は、それはできないことを身振り手振りで伝えたのですが、リキシャ側は納得しません。私としてもインドであれば相場の代金を置いて走って逃げるのですが、バングラの日常を少しでも理解しようとあれこれやり取りしていると、横からホテルのガードマンらしき人物が駆けつけてきて、サイクルリクシャに向かって何やらどなり始めました。

「おお、頼もしい味方が出現した」と思いながら状況を見守っていると、結局私の払う金額は50タカになりました。年齢は20歳ぐらいの運転手でしたが、私をにらみつけながら、その50タカを受け取った時の顔は脳裏に焼き付いています。相場からすると50タカでも十分高かったと思います。日本円にすると60円ですからわずかな金額ですが、それを容認してしまうのは良くないことです。

さて話を元に戻しますと、結局は降りた所が良かったわけです。ホテルの前でしかも周辺にちょうど大勢の人がいました。危険な目に遭えば、助けてくれるのは普通の人々です。大勢の人が周りにいれば、ある程度安全性は高まります。

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