日経平均10日続伸、1ドル124円台に 連日の高値更新、円安進行で輸出株堅調

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 5月28日、日経平均株価は10日続伸、前日に続き高値を更新した。ドル高/円安の進行で輸出株に買いが入った。都内で15日撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 28日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は10日続伸となった。前日の欧米株高や、一時124円台を付けたドル高/円安進行を支えに、輸出関連株に買いが入った。短期的な過熱感が意識されるなかでも前場中盤に強含み、前日に続き年初来高値を更新。

2000年4月13日以来、約15年1カ月ぶりの高値水準を付けた。

日経平均がこのままプラス圏で大引けとなれば、88年2月10─27日の13連騰以来、約27年3カ月ぶりの長期上昇記録となる。

27日の米国株式市場ではギリシャ債務問題に対する懸念が一時的に後退したこと を支えに買い戻しの動きが広がり、主要株価3指数はそろって反発した。東京市場では良好な外部環境が好感されたほか、円安進行も手がかりに自動車・電機株が上昇。トヨタ<7203.T>が前日比で2%超の上げとなった。

また金融セクターがしっかり。みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が5%超の上昇となるなど大手銀行株が堅調に推移した。日本株については「10連騰を達成すればバブル崩壊後に一度も経験しなかった長期上昇であり、新たな上昇相場入りへの期待も持たせる」(国内証券)との見方も出た。

他方、直近の上昇相場のけん引役となっていた内需株には利益確定売りが広がり、業種別では食料品、陸運、サービス業などの下げが目立った。

市場では、連騰後の調整局面入りを警戒する声も出ている。パインブリッジ・インベストメンツの前野達志・執行役員グローバル・マルチアセット運用部長は「目先は円安に飛びつく形となっているが、冷静に考えれば米利上げ前には株式市場は調整せざるを得ない。グローバル景気にも弱さがみられ、今後の日本株の加速ストーリーについてはまだ読み切れていない部分がある」と話している。

個別銘柄ではアインファーマシーズ<9627.T>が大幅高。27日に発表した2016年4月期業績予想で連結営業利益が前期比17%増の134億円と2桁増益を予想していることが好感された。年間配当は前期比10円増の40円を予定している。

半面、オリエンタルランド<4661.T>と同社の大株主である京成電鉄<9009.T>が続落。前日には「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の運営会社、ユー・エス・ジェイ(USJ、大阪市)が今年秋の株式公開を目指し、5月中に東京証券取引所に上場申請する見通しとなったことが明らかとなった。USJをめぐっては国内2カ所目のテーマパークを沖縄に設ける計画が以前から伝わっており、東京ディズニーランドの集客への影響などを懸念した売りが出た。

東証1部の騰落数は、値上がり1012銘柄に対し、値下がりが721銘柄、変わらずが149銘柄だった。

 

(長田善行)

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