中国「パワーショベル販売低迷」が映す景気の実態 国内不動産不況の長期化に輸出減速が追い打ち

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国内市場での苦況を打開するため、中国の建機メーカーは海外市場への積極的な開拓に打って出ている。中国建設機械工業協会のデータによれば、2023年上半期(1~6月)の建機の輸出総額は249億9200万ドル(約3兆7445億円)と、前年同期比25.8%増加した。

中国の建設機械メーカーは海外市場への積極的な開拓に打って出ている。写真はカナダの展示会に出展した三一重工のブース(同社ウェブサイトより)

建機の輸出拡大の背景には、(建機メーカーの自助努力に加えて)国際情勢の変化がもたらした「特需」がある。2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、「それまで主に欧米メーカーの建機を輸入していたロシアの需要家が、一斉に中国メーカーに乗り換えた」と、中国の建機業界関係者は指摘する。

「ロシア特需」はすでに息切れ

とはいえ、ロシア特需は長続きしなかった。

本記事は「財新」の提供記事です

パワーショベルの輸出台数は2023年7月から減少に転じ、同月は前年同月比13.8%減、8月は同17.2%減、9月は同24.8%減と、減少幅が広がり続けている。

前出の工程機械誌は、輸出減少の要因について「海外の販売ルートの在庫が(需要の一巡で)充足したことや、海外市場の景気後退が響いている」と分析する。

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は10月24日

財新 Biz&Tech

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