国連が決定!「管理職の5割を女性化」の衝撃 「2020年までに女性3割」では遅い?

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――上智大学では1974年から女性学を教えていらしたそうです。かなり先進的ですね。

そうですね。当時の女子学生はホネがありました。この社会で生きるには、ジェンダーのことを考えずには生きられない、という思いがありました。その頃は、ちょうど世界の科学革命、ジェンダー革命の形成時代で、研究者として認められるように全力を尽くしました。

――高い専門性が評価され、国連婦人の地位委員会の日本政府代表に就任しました。

自分の持っている専門知識を、日本の生き残りのために生かしたいと思いました。また、国際社会の議論からも多くを学びました。

上智大学を退職した後、Gender Action Platform(GAP)というNGOを作りました。そこでは、ジェンダー政策の分析や事業評価を行っています。政策作りの黒子としての仕事は、とても面白いです。

また、最近は株式会社ソフィア研究所を設立し、国際社会で得たジェンダーに関する知見や研究者として培ったものを、コンサルティングや研修など、政府・企業社会の実務の場で生かせたら、と考えています。

ソフィアとGAPには、国連や国際NGOなどで活躍してきた女性専門家が数名います。彼女たちと協力し、ジェンダー平等を通じた社会の発展のために、これからも働いていきたいと思っています。

治部 れんげ ジャーナリスト

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じぶ れんげ / Renge Jibu

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。日経BP社、ミシガン大学フルブライト客員研究員などを経て2021年4月より現職。内閣府男女共同参画計画実行・監視専門調査会委員、日本ユネスコ国内委員会委員、日本メディア学会ジェンダー研究部会長、など。一橋大学法学部卒、同大学経営学修士課程修了。著書に『稼ぐ妻 育てる夫』(勁草書房)、『炎上しない企業情報発信』(日本経済新聞出版社)、『「男女格差後進国」の衝撃』(小学館)、『ジェンダーで見るヒットドラマ―韓国、日本、アメリカ、欧州』(光文社)、『きめつけないで! 「女らしさ」「男らしさ」』1~3巻(汐文社)等。

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