ウエアを変えるとゴルフも変わる?

プロゴルファー/小林浩美

 衣替えの季節になった。まぶしい太陽の下で洋服も靴も日光消毒をすると、気持ちがいい。

ゴルフウエアもこの時期、カラフルな色が増えてくる。若手のプロは個性豊かになり、おしゃれに気を使う。最近のファッションは、一般女性にとても人気らしく、ミニスカートやショートパンツ、またレギンス(タイツのようなもの)を下にはいて、丈の短いワンピースを合わせたりしている。パッティングのラインを読むときや、ティーショットで地面にティペックを刺すときなど、プレー中の動きによっては、ドキッとするような丈の長さだったりするが、見られてもいいようなアンダーウエアを身に着けている。

私たちの時代は、定番のパンツやひざ上スカートなど、短い丈のものはあまり見掛けなかった。襟付きのシャツは絶対条件の時代もあったが、襟のないファッショナブルなシャツも大丈夫になり、いつの頃からか、タウンウエアとゴルフウエアが一緒になってきて、時代とともにファッションも大きく変遷している。ゴルフがプレーしやすい値段に変わり、若い女性の間では、すてきなゴルフウエアを着たいからゴルフを始めてみようといったこともあるようだ。

不動裕理プロが通算50勝を挙げた試合の最終日、赤のウエアを着てきた。普段はカーキや白、黒、青などのあまり目立たない落ち着いた色を好んで着ていた印象があったので、「珍しいなあ、今日は勝負に燃えているのかな」と思い、朝のスタート前、「それ、とってもいい色だね」と声をかけてみた。そのときはニコッと笑って、会釈をしただけだったが、その答えが優勝インタビューで戻ってきた。
「いつも落ち着いた色ばかり着ていたが、調子もずっとよくないので、絶対着ない赤を気分を変えるために着てみた。そしたら気持ちが明るくなった。もし、落ち込んだり、気分を変えたいときにはぜひどうぞ」と話していた。

長年、自分が安心して着てきた色を変えるのは、それこそとても勇気のいることである。真剣勝負の試合中、それも大事な優勝争いの中にいるときに、まず余計なことに神経を使いたくないし、落ち着いた気分で試合を進めたいものだ。そんなとき、自分の心が気持ちのいい状態でいられるゴルフウエアと色を選ぶ。不動さんは10年以上同じことをしてきて、なおかつ、これまでの不調を何とか打破したい、もやもやを思いっ切り変えたかったのだろうと思う。絶対着ない赤で優勝したことで、不動さんは一つ自分の中のこだわりが取れただけではなく、精神的余裕も生まれたのではないだろうか。
 皆さんもまばゆい太陽を浴びながら、普段絶対に着ない明るい色のゴルフウエアを身に着けて、非日常の気分を味わい、ゴルフを楽しむのはいかがでしょうか。

プロゴルファー/小林浩美(こばやし・ひろみ)
1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長。所属/日立グループ。
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