日本人が実は理解していない「完璧主義」の大問題 一流エンジニアが伝授「楽して価値を生む」技術

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しかし重要なのは、「減らすこと」自体に価値があると、マインドをリセットすること。

例えば、私がマイクロソフトに在籍しはじめてから、すでに2回報告システムが変わっているが、そのたびにどんどん手続きが楽になっていっている。ミーティングも毎週だったものが不要になってきたら2週間に1回になったり、1年に4回あったレビューが少なくなったりするなど、業務上の負荷が減っている。

すると、そこに使っていた時間的・体力的リソースを他のより優先順位が高いことに使えるようになり、「より短い時間で、価値を最大化できる」。

重要なことだけをピカピカに磨く

完璧主義傾向の強い人は、相対的にさほど重要でないものも同じ感覚で「ピカピカ」に磨き上げてしまうため、時間がかかってしまいがちだ。
むろん、これにはいい点も悪い点もある。例えば欧米人は細部までピカピカに磨いて完成度を高める能力が日本人に比べて乏しい。

問題なのは、重要ではないことにまで、過大な工数を使ってしまうことだ(例えば、文章を書くときにExcelの細かいレイアウトまでこだわるとか)。優先順位の低いことはやめ、重要なことだけをピカピカに磨くことで、競争力は飛躍的に高まるはずだ。

プロダクトオーナーからマネージャ、チームメンバーまで、全員がこの意識を共有することで、ストーリーの優先順位づけや、機能のどれを実装するかという場面で合理的な判断がスピーディーにできる。

プロジェクトにかかわる人全員で、本当に必要な機能は何か、不要な機能は何かを見極め、プロセスの改善を実施していかに「楽」をしてより高い価値を生み出せるかをディスカッションする必要がある。

では、その手順を具体的に見ていこう。

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