武田薬品がスイス大手を買収、業績ジリ貧に歯止め

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 製薬最大手の米ファイザーによる米ワイスの合併と異なり、一方が他方をのみ込むようなM&Aではない。武田とナイコメッドが並立しながら、ナイコメッドの販売ルートを活用し、武田の主要製品を売っていくようなビジネスモデルになる。

とはいえ、業績を支える新薬の投入が実現しなければ、いずれ壁にぶち当たるのは確かだ。今回、統合後の売上高見通しは公表したが、利益見通しは明らかにしなかった。

経済同友会の代表幹事に就任した長谷川社長にとって、ナイコメッド買収により、懸案だった自社のジリ貧傾向にはとりあえず歯止めをかけた。これで経営を後進に引き継ぐことも可能になり、武田は「ポスト長谷川」の新局面に入る。

◆武田薬品工業の業績予想、会社概要はこちら

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(岡田広行 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年6月4日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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