震災支払いが損保の業績を圧迫、地震保険の募集は休止

3メガグループとも大幅経常減益(うち1社は経常赤字)となった、大手損害保険会社の2011年3月期決算。東日本大震災の発生を受け、地震保険(火災保険の特約)の関連費用が業績を強く圧迫した形となった。

地震保険は個人向けの場合、政府支援や日本地震再保険の支払い、準備金の積み立てがあるため、損保に影響はない。だが工場や営業所などを対象にした企業向けは、リスクを自前で引き受けている。再保険会社に出す出再分を除き、支払いは損保各社の負担だ。

支払い予定額は、東京海上ホールディングス915億円、MS&ADインシュアランスグループホールディングス627億円、NKSJホールディングス579億円。実際の支払いは大半が12年3月期に行われるが、すでに前期には予定額とほぼ同額の支払備金を繰り入れた。

各社を直撃した地震保険も、あくまで会計上ながら今期はプラスに働く。支払い本格化に伴い、損害率が50%を超えた部分は、異常危険準備金を取り崩すためだ。東京海上日動火災保険は支払い予定額819億円に対し420億円、NKSJは538億円を取り崩す見込み。今期の経常利益は急回復する見通しだが、中期的に見れば、震災の影響はジワジワ効いてくる。

萎縮する再保険市場

大手損保は震災発生後に足並みをそろえて、企業向けの地震保険の新規引き受けや契約内容拡充を中止。従来契約の更改のみ応じている。背景にあるのは、再保険市場のシュリンクだ。

近年、世界中で巨大災害が発生し、再保険料率は上昇トレンド。今回の震災がこれに拍車をかけ、何よりも「一時的に地震保険の再保険の引き受け手が枯渇している」(大手損保幹部)。

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