日本初の「ブリジェラ」に行列ができる秘密 3代目社長が挑む新感覚のジェラート屋

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ブリジェラを運営するエッジの田中新一郎代表取締役

さて、ブリジェラを事業経営するエッジはもともと、オフィスやアミューズメント施設の施工を行う会社。「40になったら好きな事業をいろいろしたい」と、アイディアを温めて来た田中さんがチャレンジする第一号の事業なのだそうだ。

「私は社長としては三代目。ただ、親父の代で会社を一度閉じてしまったんです。子どもの頃から『社長になるもの』と思い込んで育ってきたから肩すかしではあったのですが、やっぱり自分でビジネスをしたいと思って今のエッジを立ち上げました。ただ事業としては、施工にとどまらず幅を広げたいと考えています。今回のブリジェラ、そして健康に関するものなど、いくつか企画があります」(田中さん)。

何よりも健康が資本

田中さんの社長としての意気込みは、自身の体調管理にも表れている。「何より健康が資本」と3年前に空手を始め、92キログラムあった体重を69キログラムに落としたという。チャレンジ第一号のブリジェラを、何としても成功させたいところだろう。

「ジェラート経営は難しい」との通説がある

ただ、ジェラートをブリオッシュで、という新しい食べ方ではあるものの、「ジェラートは事業経営が難しい」というのが業界の通説だ。

例えばイタリアには約3万5000店のジェラート屋があると言われるが、日本にはアイスクリームショップとして大手のサーティーワンでさえ、1100店舗強。アイス(ジェラート)を食べる文化がイタリアほど発達していない、というのもあるが、全国約5万2000店のコンビニエンスストアで、100円アイスから高級志向のアイスまで一年中購入できるのも、アイスクリーム専門店が少ない理由の一つではないだろうか。また、天候や季節に左右されるのも、事業の安定には逆行する要素だ。

そうした状況を逆手にとりながら、希少性とアイディアの新しさで生き残れるか。三代目社長の挑戦はまだまだ続きそうだ。
 

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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