受験は「できない子の逆をする」のが有効な理由 よくある成功体験談をまねることの落とし穴

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●スモールステップで達成感を積み重ねる

学力の基礎となる漢字や計算のトレーニングは、結果が出やすいため、子どものやる気アップにつながります。

模試の成績は、他人との相対評価のため、どうしても上下しますが、基本問題の毎日の練習は、昨日の自分との競争となる絶対評価です。やればやるほど成果が見えてくることで、精神面も安定します。「○分で◯問できるようになった」「〇の数が5個だったのが、7個に増えた」など、成果の見える化ができるように工夫しましょう。

学習単元のみを気にしていると、たとえば「図形」にがんばって取り組み、手ごたえを感じるころにはカリキュラムが「速さ」に変わっていたということが起きます。

志望校への憧れももちろん大切な要素ですが、それだけでがんばり切れるほど甘くはありません。それよりも、「どんどんできるようになること」は、中学受験において最大のモチベーションとなります。

●「だいたいできた」を禁句にする

仕事や勉強をしていて、まだ完全に終わっていないのに、「だいたいできた」と考えることがあります。しかし、「だいたい」と「しっかり」の間には、大きな溝があります。「だいたいできた手術」なんて怖いですよね。物事をもう少しで達成できるときにこそ、「ここからが本番だ」と考えることが大切です。

物事を達成できる人と達成できない人を分けるのは、「まだできていない部分」「完成するまでに残された工程」にこだわるかどうかなのです。

模試を終えて帰ってきた子どもに「どうだった?」とたずね、「だいたいできた」と答える場合、その子はあまり成績が伸びません。「ここがダメだった」と具体的に言えて、できなかった部分にこだわってこそ、成績が伸びるようになるのです。「自分はだいたいできている」と思い込まないように、気をつけましょう。

できる子をまねするよりも…

「こんな勉強法で成績が伸びた」という書籍や体験談は、世の中にたくさんあります。ただし、「その子だけにあてはまることだったのかも?」と、すべてを鵜呑みにせず、冷静に読み取っていきたいものです。基本的には、できる子のまねをするよりも、できない子と逆のことをするほうがかんたんです。いくつか勉強のコツをご紹介します。

●「きれいなノートづくり」を目標にしない

ノートを書くことにいっぱいいっぱいで、授業を聞いていないケースがあります。先生が使っているチョークやペンの色の数よりもノートがカラフルだとアウトです。

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