あと3年でポリオは世界から根絶できる!

天然痘に続く人類2度目の挑戦の全貌

かつてポリオ患者の半数を出したインドは2014年、ポリオ根絶を達成した©UNICEF/INDIA2012-00435/SANDEEP BISWAS
この連載の一覧はこちら

前回の記事「世界は、なぜポリオ根絶を目指すのか」では、「世界からポリオを0%にすることは、とても難しい」ということをお話ししました。

世界で残されたポリオ常在国は、パキスタンと隣国アフガニスタン、そしてアフリカのナイジェリアの3カ国です。けれども、2014年11月にもパキスタンでポリオワクチン予防接種作業員が殺されてしまうという悲惨な事件がありました。武装勢力が、ワクチン予防接種作業員が敵からの差し金ではないかというデマが大きな障害になってしまいました。

このように最後の1%のポリオを根絶するためには停戦交渉や対話など、医療という枠組みを超えた、政治・外交・社会的働きがどうしても必要になってくるのです。

日本政府が導入した「ローン・コンバージョン」とは

今回は、日本が今まで培ってきた信用を使って貢献しているお話ししましょう。実は、日本政府はローン・コンバージョンという革新的な資金調達メカニズムをつくり上げ、ポリオ根絶支援を開始しているのです。

これは、日本政府の融資によってパキスタン政府がポリオ根絶に直接取組み、そこで一定の成果を挙げたら、ゲイツ財団がパキスタンの代わりに日本におカネを返すというという仕組みです。

それは、ポリオを根絶するためワクチン等の資金が欲しいパキスタン政府にとっては、ありがたい話です。根絶活動が成功したら、ゲイツ財団が代わりに資金を日本に返済してくれるのですから。ポリオ根絶を進めたいゲイツ財団は活動を前進させられ、日本政府は自国のお財布を傷めずに国際貢献ができるという、3者のwin-win-winが成り立つ画期的な仕組みです。

次ページなぜゲイツ財団が直接資金提供をしないのか
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
憲法改正の争点<br>自衛隊の明記をめぐり論争始まる

「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」と、安倍首相が5月3日に突如表明。2020年の新憲法施行を目標に自民党は動きだした。改憲は本当に必要か、論点を整理する。