「子猫の便に多数の回虫」増える犬猫購入トラブル 紹介サイトに潜む「悪徳ブリーダー」の見極め方

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このような健全なブリーダーの繁殖は利益目的ではないため、それほど多くの繁殖はしません。1~2種の専門ブリーダーであることが多く、そのほとんどが自身のホームページやSNS、口コミ経由で子犬や子猫の譲渡先が決まるため、紹介サイトに掲載すること自体が少ないのです。

ただ、JKC、CFA、TICAへの登録に関していえば、最近はブランド化し、それらの団体に所属すれば健全なブリーダーだと思われると、登録するブリーダーも増えています。ショーに参加せず、スタンダードも理解していない。それらの団体に所属しているのに、子犬や子猫の質が悪い、毛色の記載が間違っている、必要な遺伝子検査もしていない……。紹介サイトではそのようなブリーダーが増えていることもあって、健全なブリーダーは掲載を敬遠するようになってきているのです。

ショーへの参加には、時間と費用と労力と情熱が必要です。利益優先ではなかなかできません。

もし、子犬や子猫を迎えることを検討しているのなら、JKCのドッグショー、CFAやTICAのキャットショーなどに出向き、直接ブリーダーと交渉することをお勧めします。なぜなら、紹介サイトよりもはるかに多く健全なブリーダーが存在しているからです。

ブリーダーとトラブルにならない方法

独立行政法人国民生活センターより(サイトはこちら

前述した国民生活センターでは、消費者に向けて注意喚起を行っています。現状でブリーダーとのトラブルを回避するには、ブリーダーの質を消費者自身が見極める必要があります。

ブリーダーのサイトなどから直接連絡をする場合も、紹介サイトを利用する場合も、必ず飼育施設を訪れてその環境をチェックし、対象の子犬・子猫だけでなく、親犬・親猫も確認することが重要です。そのうえで、ブリーダーが信頼できる人であるか、長くお付き合いができそうな人であるかを見極めましょう。

自己都合でのキャンセルの場合、予約金・成約金は返金されないことが多いので、支払う前に本当に子犬・子猫を迎えることができるかどうか、時間をかけてじっくり検討することが大切です。また、不安や疑問を残さないように、たくさんの質問をしましょう。

そして、迎えると決めたら、必ず契約書を作成してもらい、細部まで必ず読んで、納得してからサインをするようにしましょう。紹介サイトを利用する場合は、利用規約をしっかりと確認・理解することも必要です。

阪根 美果 ペットジャーナリスト

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さかね みか / Mika Sakane

世界最大の猫種である「メインクーン」のトップブリーダーでもあり、犬・猫などに関する幅広い知識を持つ。家庭動物管理士・ペット災害危機管理士・動物介護士・動物介護ホーム施設責任者・Pet Saver(ペットの救急隊員)。ペットシッターや保護活動にも長く携わっている。ペット専門サイト「ペトハピ」でペットの「終活」をいち早く紹介。豪華客船「飛鳥」や「ぱしふぃっくびいなす」の乗組員を務めた経験を生かし、大型客船の魅力を紹介する「クルーズライター」としての顔も持つ。

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