サッポロvs国税庁、115億円は誰のものか

酒税返還を求めたが、当局の返事は「ノー」

第3のビールは販売を終了し、昨年7月から発泡酒として再発売した(撮影:尾形文繁)

サッポロビールと国税当局の“抗争”が不可避の情勢になってきた。

事の発端は2014年6月。同社は売れ筋だった第3のビール「極ZERO」の販売終了を発表した。営業上の秘密を理由に詳細は明らかにせず、「製造方法で国税から照会を受けている」と言うのみ。

要は、当局の情報提供要請を受け、第3のビールに該当しないおそれが出てきたということだった。販売終了後、税率の適用区分が変更された場合に必要な116億円(延滞税含む)の酒税を自ら追加納付し、14年度決算で特別損失に計上している。

その後、自主検証で第3のビールであることが確認できたとして、今年1月に115億円の返還を国税当局へ要求。ところが4月下旬、返還には応じない旨の通知が当局から送られてきた。当局側は「極ZEROは第3のビールに該当しない」との見解を示したわけだ。

税金をどう取り返すのか

当局から「ノー」と言われたサッポロが、まず取りうる手立ては、異議申し立てだ。国税当局は自らが下した措置について、あらためて見直しを行い、その結果を「異議決定」として通知する。

国税庁の統計では、納税者の言い分が認められるのは全体の1割程度。青山学院大学法学部教授で税務訴訟に詳しい木山泰嗣弁護士は、「異議申し立ては再考を求める場。通常、還付は期待できない。ただ、処分理由が詳細になるため、その後の戦いの判断材料は得られる」と分析する。

当局の判断が変わらなければ、第2段階は国税不服審判所への審査請求だ。国税庁の特別機関が第三者的立場で審査を行い、結果が「裁決」として通知される。

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