スタートアップで働く前に考えたい4つの重要視点 自ら意志を持って動けば「人は変われる」

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やはりみずからが意志を持って動くことで、人は変わっていける。

投資家が起業家を見極める目の一つに「なぜ、その人が、それをやる必要性があるのか」という観点がある。その理由がつながるからこそ出資ができるのだ。

起業すれば心が折れることなんて毎日あるものだ。それほど大きくない課題から大きなハードシングスまで、規模を問わず日々起きている。僕だって心が締めつけられて、逃げたくもなる。それに、逃げたいと思うのは誰であっても持つ感情だろう。

しかし、それでも「やる」と決めたからこそ、その仕事から降りないし、自分の心を強くしてでも折れずに進むことを選ぶことができる。僕自身にリーダーの経験はそれほどないが、起業してフォースタートアップスを経営してきて、初めてそういったものが養われてきた気がする。

だからこそ、みずから決めた強い動機の重要性が、身にしみてわかる。

自分自身を見つめ「旗」を立てる

③自分を知る

キャリアの選択とは、自分の「際(きわ)」を知ることでもある。

誰にも最大の可能性とチャンスがある。けれど、転職をはじめとしたキャリアへの評価は他者がする機会が多いものだ。

評価を受ける機会を持つことで、今の自分の立ち位置や、社会との境界線といったものが見えてくる。

実際に転職面接を受けてみてもいいし、転職エージェントをはじめとする人たちへ相談してみるのもいいだろう。

そのように自分の市場価値を知ろうとする際に、転職エージェントを使おうとするのであれば、エージェントのランキングが上位の人に聞くといい。上位には上位の、下位には下位の理由があるものだ。

また転職オファーをもらったからといって、必ずしも転職をしなければならないわけではない。現職でのストーリーと、新天地でのストーリーを天秤にかけて、どちらが良いかを図ってみる。

これまでにいただいた縁や恩を重視して、やはり今の場所でともに戦ってより良い未来をつくったほうが良いのか。はたまた外のほうが自分の人生に責任を持って、もっと前向きなストーリーがつくれるのか。

そうやっていろいろな判断をしていく中で、初めて自分がわかることもある。

もし「転職をせずに、現職を続けていく」と決めたときにどうすべきか。僕はこの過程こそが大事だと思う。そう決めたのであれば、現職で最大値に脇目も振らずに頑張ることである。

④旗を立てる

僕はインテリジェンス創業者である起業家の宇野康秀さんの影響をずっと受けている。

インテリジェンスという会社と出会ったとき、宇野さんは、「僕らは人的インフラを構築し、日本の成長に寄与するんだ」といったメッセージを出していた。まだ彼が30歳のときのことだ。

会社説明会で一生懸命に語る姿を見て、僕はファーストキャリアを宇野さんと歩む選択をしようと決めた。

僕は、日本の再成長を実現するために、スタートアップ支援という巨大な産業が必要であり、そのイニシアチブをフォースタートアップスとして獲ろうと言っているわけだから、僕と宇野さんとはとても近い発想だと思っている。

ただ、このように思えるようになったのも、40歳を過ぎて日本の「知らない悪」と対峙してからのことだ。

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