私たちは「流産リスク」にこう向き合った! 周囲に早く言うべき、でもなかなか言えない

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・流産したときの精神的ダメージを考えると、必要以上には言いたくなかったです……。生まれるまで、心配で心配で。流産してしまったら、仕事で身近な人には、つらいのも知っておいてもらったほうが助かりますが、あまりかかわりのない人には、変に知られるよりも何も知られないほうが気楽そうだなと。
人によると思いますが、つわりでいちばんつらいときが、いちばん妊娠も不安定な時期で言いたくないなんて、難しいですよね……。つわりのつらさと初期流産が多いことを周りに知っておいてもらえると、もっと言いやすくなるのかもしれませんね。
・友人は妊娠がわかってすぐ周囲に伝え、その後、安定期に入る前に流産してしまい、妊娠報告をしているだけに流産も報告しないわけにはいかず、それが精神的にとてもつらかったとのことでした。当時の自分にもう少し妊娠や流産の知識があったら違ってたかも、と。本人がそういうリスクもあるとわかってのことでしたら、どのタイミングでもいいかもしれませんが……。

 

医学的には流産は、ほとんどが染色体上の異常によるもので、一定の確率で起こるとされます。ただ、手術になる場合もあり身体的にも負担があるうえ、待ち望んでいた赤ちゃんであれば心理的ダメージは大きい。

それに加えて「おめでたなんだって? 予定日いつなの?」なんて声をかけてくれる人に「実は……」と逐一、流産について説明しないといけないのは確かに苦痛でしょう。

流産を経験した当事者は…

実際に流産を経験した当事者からは、次のような声が。

・私はマタニティマークは妊娠初期からつけていて、電車などでは快適に過ごしてました。その一方、自分の身内とか職場とか、人間関係のある相手には安定期に入るまでは言わなかったです。というのは、私は一度流産していて、また流産した場合、いろいろ面倒くさいなぁ、と。流産した場合、気を遣われて心配されるのがけっこう重くて、早く立ち直らなきゃってプレッシャーになるのもつらいというか。はれもの扱いされたくないし、普通に接してほしいんですよね……。
・即、職場に報告したものの、直後に初期流産。でも次に妊娠したときも、即、職場に報告した私です。流産を報告する羽目になったのはとてもつらかった……。けれど、2回目の妊娠のとき、自分は報告の目的を何だと思ってるのか整理してみたら、急な体調の変化で仕事の仲間に迷惑をかけるかもしれないからなどいろいろありつつも、お腹の赤ちゃん優先の環境を少しでも整えるというのも、大事な目的かなと思えまして。
また、つらい思いをするかもしれないけど、今(当時)お腹で育っている赤ちゃんのためになるなら、その精神的リスクも冒そうという判断に至りました。ぜいたくかもしれないけど、世間が流産リスクを含め、妊娠のいろんな側面を理解したうえで、妊婦さんの早期の報告を受け止めるようになってくれたら、安全管理にも資するし、万一のときの気まずさも傷つきも、今より軽減するしベターだな、なんて思います。
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