時給8000円を稼ぐ「ビール売り子」の超仕事術 「球場の華」が緻密に組み立てる3つの戦略

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(写真:アフロスポーツ)

5月も半ばを過ぎ、夏場のように暑い日も珍しくなくなってきたこの時期。プロ野球がいよいよシーズンの本格的な戦いに入ってきている。

そんな野球選手と同じように、野球場で奮闘する娘たちがいる。ビールの売り子さんだ。正しくは、「立売スタッフ」という職業名である。プロ野球シーズンだけの季節限定のアルバイトだ。

「ビール、いかかですか~?」

元気のいい声とともに球場の客席を上へ下と歩き回る彼女たち。艶やかな服装、屈託のない笑顔、キビキビとした対応。一見すると、華やかな職業、仕事のように見える。「球場の華」といってもいいだろう。だが、そんな彼女たちは、現場の3つの苦労と戦っている。

背負うだけでも一苦労

まずは、背中に背負うビールサーバー。その重さは、15~18キログラムともいわれる。この仕事に就いた当初は背負うだけでも、一苦労。スタジアムの通路を往復するだけで精一杯だそうだ。

2つめの苦労は、急勾配なスタジアムの階段。野球場に行ったことのある方はご存知かと思うが、結構な角度の階段が上から下まである。お客さんから手が上がれば小走りに駆け上がり、タンクのビールがなくなれば取り替えにバックヤードへ帰る。修行僧のように何度も何度も昇り降りするのだ。

最後は天候。2月から始まるオープン戦の頃の寒い風。梅雨時の突然の土砂降り。夏の直射日光――。天候の影響をモロに受けながらも、懸命に販売している。暑くても寒くても笑顔でいなくてはならない。

そんな過酷な販売現場ではあるが、ビール売り子さんのアルバイトは若い女性に人気の職業だそうだ。この人手不足の時代でも、人材集めにはそれほど困らないらしい。

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