会社で起きることのすべての責任をとるという徹底した当事者意識を学んだ--西本甲介・メイテック社長(第5回)

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--99年に代表取締役社長となってから11年。実際にトップをやってみて、関口さんから学んだことを振り返ることはありますか。

経営者が持つべきものは当事者意識だということを関口さんから学びました、関口さんは、「上場したけどメイテックは俺が作った会社。軒先の石ころ一つから俺のものなのだから、この会社をどうしようと俺の勝手だ」とよくおっしゃっていました。今振り返ると上場してもずっと「オーナー」と呼んでいた私たちも間違っていましたが、関口さんは持ち株比率が17%になってもまるで100%あるような思い込みをされていたのだと思います。

でも、私は関口さんの言葉から「この会社で起きることのすべては俺が責任をとる」という徹底した当事者意識も感じ取っていました。もちろん、会社の私物化は上場した以上許されるべきことではありませんし、解任の大きな発端ともなったわけですが、経営者は何があっても逃げないという関口さんのような当事者意識は絶対に持つべきだと思っています。

関口さんがいなかったらこの会社は存在していません。その尊敬すべき創業社長を解任した以上、私は絶対にメイテックを社会から「いい会社だ」と思ってもらえるような企業にしていかなければいけない。

創業者の解任という経験をせずに社長になっていたら、ここまでの強い思いは持てなかったかもしれませんね。

(撮影:梅谷 秀司)

にしもと・こうすけ
1958年愛知県生まれ。1984年メイテックに入社し、社長室長、人事部を経て1995年に取締役に就任し人事部長と経理部長を兼任する。1996年専務取締役人事部長・経理部長、99年から現職。2006年からはグループCEOも兼務。社団法人日本経済団体連合会理事、一般社団法人日本エンジニアリングアウトソーシング協会代表理事。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・経営者JP主催のセミナー「トークライブ・経営者の条件」との連動企画です
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