勉強なんて、「退屈なもの」に決まっている! どんどん成績が落ちる「アリ地獄勉強」脱出法

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そもそも勉強は積み上げるもので、「やればやるほど効率が悪くなるなんてことがあるのか?」と思うかもしれません。それがあるんです。

試験勉強とは、穴の開いたバケツに水を入れるようなものです。インプットし続けないと水は溜まりませんが、一気に水を入れすぎてもバケツはあふれてしまう。かといって定期的に水を入れていないと、時間が経てば元の木阿弥、一向に水は溜まりません。もう、聞くだけで厄介ですね。

このたとえに沿って言うなら、2度目の試験で点数が落ちてしまったあなたは、「やみくもにずっと水を注いでいる」状態です。つねに新しい知識を身に着けようと、いろいろとインプットしているに違いありません。新しい知識に手を出しているうちは、忘れるポイントも多くなり、バケツの穴は大きくなるばかり。まさに馬耳東風、入った知識は右から左にどんどんと抜け落ちていきます。

不正確な知識は、「無益」どころか「有害」

そう、新しく入った知識は、理解が十分でないがゆえに、抜け落ちていくスピードが非常に早い。せっかくたくさんの水をバケツに注いでも、一向に水が溜まらないどころか、これまで溜まっていた水までもが漏れてしまう恐れすらあります。

不正確な知識というものは、正確な知識すらあいまいにしてしまう、という欠点があります。たとえばある問題に対して、なまじ知識があると、「あのことを言っているのかも」などと余計な詮索をしてしまい、かえって迷ってしまうことがあるのです。正確な知識が求められる択一式の試験の場合には、この傾向がより強くなります。不正確な知識は「無益」ではなく「有害」なのです。

こんな不良品のバケツ(といっても人間の脳ですが……)に水を溜めるポイントは、「より多くの水を入れる」のではなく「より漏れる水を減らす」こと。そのためには、バケツの穴を小さくする努力が必要です。

そして、バケツの穴を小さくする方法はただひとつ。「勉強を楽しまないこと」です。さまざまな知識に触れていると、自分が「頭よくなった感」を味わえるので、すごく楽しい。でも、この「頭よくなった感」を得ることと、実際に試験で点数を取ることは、まったくの別物です。

実際に点数を取るには、愚直に、退屈な勉強を「反復」することが必要。この「反復」は退屈に決まっています。退屈だから続かない。だからたいていの人は「反復」が甘い。せいぜい1度や2度復習しただけでわかった気になり、数カ月後にはその記憶は忘却の彼方。またバケツに水を入れ直さないといけないわけです。

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