大人がハマる「新・月9」、吉田類の秘密 「酒場放浪記」はなぜ支持されるのか

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この番組の大半は酒場の雰囲気と吉田類さんを映した映像で構成されています。

毎回、町の名所を1カ所紹介した後、大衆酒場ののれんをくぐります。まず初めの1杯を頼んでから、お客さんたちと乾杯する、というのがお決まりのパターン。今や吉田さんは酒飲みの間では大スターですから、「会えてうれしい」とはしゃぐおばちゃんたちも。

男性の聖地をのぞき見る楽しさ

吉田さんは、夕方の5時ぐらいに店を訪れることも多いのですが、外はまだ明るいのに、常連さんたちはすでにほろ酔い。しかも、ものすごく楽しそう。何だか、昭和を生き抜いてきた方々のたくましさみたいなものを感じるのです。

酒場にいるおじちゃんやおばちゃんたちを見ていると、仕事でクヨクヨ悩んでいる自分が何ともちっぽけに思えてきます。

この雰囲気を直接味わってみようと、番組ファンの中には、酒場を巡礼する人たちもいるようですが、一見さんでこうした店に入るのにはまだまだ勇気がいります。特に女性には敷居が高いのです。

筆者も一度、番組ファンの間では聖地と言われている吉祥寺の「いせや総本店」に入ってみようとしたことがあります。2003年、第1回目の放送が、この店だったからです。

週末の夕方ごろ、JR吉祥寺駅の公園口を出て、西へ向かい恐る恐る外からのぞいてみると……お客さんは全員男性! タバコもくもく、焼鳥もくもく。とにかく、もくもくなのです。しかも常連さんっぽい人ばかり。店の中にひとりも女性はいませんでした。

さすがに女独りであの空間に入ることはできず、断念。結局、テイクアウトで焼鳥を買って、近くの井の頭公園で食べたのでした。

「私の夢は、博多あたりの屋台や立ち飲み屋で、偶然、ご機嫌な吉田類さんと居合わせて、乾杯してもらうことです」とネットに書いていた女性ファンがいらっしゃいましたが、その気持ちがとてもよくわかりました。

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