2010年の対フランス直接投資は22%増だが、「原発大国」のイメージがどう働く?

フランスへの海外企業進出の支援などを行う対仏投資庁はこのほど、2010年のフランスへの直接投資の結果を公表した。同年の対仏投資プロジェクトは782件となり、前年比22%増と2年ぶりに増加した。これに伴う雇用創出や、経営難に陥った企業の買収を通じた雇用維持の人数は同6%増の31815名となった。

海外企業誘致に積極的な国として知られるフランス。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、10年の直接投資を通じた同国への資金流入額は約574億ドルで、米国、中国、香港に次いで第4位。欧州では最大の直接投資受け入れ国だ。

10年には欧州でいわゆる「ソブリンリスク」が顕在化。フランスでは同年秋にサルコジ政権の年金制度改革反対の大規模なストライキが実施された。だが、それらも同国への企業進出に逆風とはならなかったようだ。フランスへの直接投資に踏み切った国別の内訳では、件数ベースで隣国のドイツが最も多く(140件)、日本は29件で第10位。10年にはニチレイの低温物流事業を手掛けるニチレイロジグループがノルマンディーに拠点を置くゴッドフロワ・トランスポール・エ・アントルポ社を買収。楽天はパリの電子商取引大手、プライスミニスターのプラットフォーム開発に携わる意向を表明した。

フランスに拠点を置く日本企業数は09年末時点で630を超え、6万2000人の雇用を生み出している。「(東日本大震災発生を受けて)日本の会社は機能のリスク分散を考えているところであり、フランスの生産拠点の能力を増やすかどうか検討したいという話しも聞いた」(対仏投資庁日本事務所のクリストフ・グリニョン代表)。

ただ、世界的な反原発ムードの高まりが同国の新規の企業誘致などに及ぼす影響は読み切れない。フランスは現在、発電量全体の8割近くを原子力で賄う。東京電力の福島第一原子力発電所の事故以来、原発建設を見直そうとの動きが強まっているだけに、「原発大国」という同国のイメージが、進出を考える海外企業に二の足を踏ませる懸念もある。
(松崎 泰弘 =東洋経済オンライン)

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