被災した数千隻以上の漁船、「国内の生産能力ではとても足りない」との声も

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また、漁船は国内の検査規制により20トン未満と20トン以上で線引きされている。遠洋漁業を行うマグロ漁船でも399トンとか439トンという大きさで、海外の造船業者が喜んで請ける仕事ではないからだ。

さらに、100トン以下の小型漁船の船体はFRP製が多い。こうしたFRP製漁船の主要な生産業者はヤマハ、ヤンマーになるが、「ヤマハやヤンマーが増産投資をしてまで、採算の低い小型漁船を国内復興需要を満たす水準まで増産するかどうか」という推測もあがる。

世界的に貨物船の需要が高まり、生産能力がタイトになっている中で、日本の漁船の復興需要を満たすことは、かなり困難が予想される。この分野でもさまざまな政府の助成が必要になるだろう。
(内田 通夫 =東洋経済オンライン)

*写真は津波で流された船が今も陸地に残ったままの岩手県大槌町(4月23日) 撮影:尾形文繁 

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