【産業天気図・銀行業】今年度は与信コスト大幅減で急伸、06年度は伸びやや鈍化か

大手銀行、地方銀行とも、今05年度中間決算で不良債権問題が完全に峠を越えたことが証明された。多くの銀行で純利益が前年同期を大きく上回った。発足以来赤字決算が続いたUFJホールディングスも三菱東京フィナンシャル・グループ(FG)との統合を前に初の黒字に浮上。10月発足の三菱UFJFG<8306.東証>の株式時価総額は16兆円を超え(12月16日現在)、トップのトヨタ自動車<7203.東証>に迫る勢いだ。
 ただし来06年度までを視野に入れると、この中間期の数字を手放しには喜べない。今期の「大幅増益」の主因は、貸倒引当金の戻入益を含んだ与信関連費用の減少にあるためだ。実際、この中間期では三菱東京FG、UFJとも多額の戻入益を計上。三井住友FG<8316.東証>も3000億円を超える与信コスト減の寄与が大きい。来期以降は、今期のような特需的な戻入益の発生は期待できない。
 各行の来期業績の動向を決するのは、銀行の本業利益である資金利益の見通しだ。貸出金残高は中小企業向け新型ローンの強化、住宅ローンの拡大を軸に、ようやく底打ち感が見えた。ただし預貸利ザヤは依然として歯止めがかからない。日銀の量的金融緩和解除をきっかけとした短期金利の上昇などの「福音」がほしいところ。増益幅は鈍化しそうだが、手数料収入の一段増などに注力する。
【風間直樹記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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