一流の経営者がわざと自分の「隙」を作る納得理由 漢方薬のように効果を発揮する「心理的安全性」

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日頃から、仕事についての会話しかしていない場合と、ユーモアも含めていろんな話をしていて、お互いの人柄がわかっており、自分を受け入れてもらえている感覚があるという場合とでは、同じ期待の言葉でも、受け取り方がまったく違うからです。

それは、期待に対して、自分がどこまで努力をして応えられるかどうかということとも結びついています。

そのための空気を作っていくキーパーソンは、やはり上司です。

部長級の方の研修では、よく「どうやって部下を動かせばいいのかを知りたい」というご質問を受けます。

特に、部下に対して「自分で考えて持ってこい」とおっしゃっている方が多いのですが、部下にとっては、自分で考えるまではできても、その結果をあなたに言えるかどうかを考えてみてほしいとお伝えしています。

部下に何かを指導するタイミングではなく、そのもっと手前から、心理的安全性や人間的な関係性があり、コミュニケーションがとれているというベースが必要なのです。

そのベースがないのに、クリティカルな話だけをいきなり打ち込もうとしても、うまくいきません。ユーモアや雑談など、上司から働きかけていくことが大事です。

心理的安全性というものは、漢方薬的に、じわっと効くけれどもすごく効果が高い、万能薬のようなものなのです。

自分をユーモアのネタにする

本書には、経営者や上司の立場になればなるほど、自分自身の話をしたほうが良いということが書かれています。

誰かを面白がらせようとしたことが、別の人を傷つけていたり、誰かを貶めることで誰かを引き上げたりするような話し方は、その後の関係性を複雑化させてしまい、あまり健康的ではありません。

できる限り多くの方が傷つかない話題で、どういう人がその場にいて、誰が聞いているのか。その話が切り取られて独り歩きしたときに、別の人が傷つくようなことがないかなどを考える必要があるでしょう。

社会的に認識の割れる話題よりも、まずは自分の話でずっと楽しませられるようなテーマ選びが良いと思います。

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